香ばしいシュー生地ととろけるカスタードクリームがたっぷり詰まったシンプルながら、奥深いスイーツがシュークリームです。みんなが大好きなシュークリームをこれまで3000個以上、年間で200個以上食べる筋金入りのマニア、シュークリーマン飯塚のおすすめの逸品を紹介する連載「シュークリーマン飯塚のシュークリームハント」。シュークリームといえば、まず思い浮かぶのはパティスリー。でも、パンを買いに訪れたお店で、思いがけずおいしいシュークリームに出合うことがあります。パンを中心にしながらケーキや洋菓子も手がけるお店、パン職人とパティシエがそれぞれの得意分野を生かしているお店など、そのスタイルはさまざま。パン屋さんで作られるシュークリームには、サクサク、カリカリとした生地の食感にこだわったものもあれば、パン作りで培った素材選びや組み合わせのセンスを感じるものもあります。今回は「パン屋さんで見つけたシュークリーム」をテーマに、東京で気になった3軒を訪ねました。
パン職人が手がける『Boulangerie S.Igarashi 木場本店』@木場
木場公園の近くに店を構える『Boulangerie S.Igarashi 木場本店』。
オーナーシェフの五十嵐聡太さんは、『ドンク』、『パン オ トラディショネル』、『メゾンカイザー』などで経験を積んだ後、2019年に福岡・北九州で『マイニチパン』を開業。さらに「東京でもっとチャレンジしたい」と、2021年12月に東京・木場へ移転しました。
そんなお店で今回いただいたのは、季節限定を含む3種類。
「2種のキャラメルパイシュー」(691円)、「カスタードパイシュー」(604円)、「アールグレイとラ・フランス」(669円)
スタンダートな「カスタードパイシュー」(604円)は、ザクザクザクッと香ばしいデニッシュのようなシュー生地。中はもっちり感もある、パン作りの技が活きた食感です。
そして驚いたのが、特徴的なクリーム。たっぷりと詰められたクリームを口にすると、ミルク感や卵感よりも、まずふわーっと広がってきたのはラム酒の香りでした。
普段口にするカスタードクリームの味わいとは少し違い、大人っぽい香りが印象的。パン屋さんらしい生地の存在感に、ラム酒を効かせたクリーム。シュークリーム専門店とはまた違う、個性的な一品です。
季節限定の「アールグレイとラ・フランス」(669円)は、紅茶の香りが主役。
アールグレイのクリームは、単に華やかな香りというより、香ばしさすら感じるほどしっかりとした味わい。そこにラ・フランスのコンポートを合わせています。香りの強いアールグレイに、ラ・フランスの甘さが加わることで、味わいに変化が生まれています。
個人的に印象に残ったのは「2種のキャラメルパイシュー」(691円)。
コクと甘さの異なるキャラメルクリームを2種類使ったシュークリーム。ひとつは「ふわっと」、もうひとつは「きりっと」。ふわっとしたクリームだけだと少し物足りなく感じそうなところを、もう一方のクリームがバチッとキャラメル感を効かせて、全体を引き締めています。2種類が合わさることで生まれる、完成度の高いおいしさでした。
パン職人としての経歴もさることながら、全国のパン屋さんを200店以上食べ歩いた経験を持つほど、パンを「食べること」も大好きな五十嵐シェフ。「どんなものを作りたいか、食べたいか」ゴールから逆算して材料や素材の組み合わせを考えるというパン作りの哲学は、シュークリームからも感じられました。
どれも単にカスタードを詰めたシュークリームではなく、素材同士の組み合わせまで楽しませてくれた3品でした。
[店名]『Boulangerie S.Igarashi 木場本店』
[住所]東京都江東区木場3丁目8−10
[電話]非公開
[営業時間]10時~15時
[休日]なし
[交通]東京メトロ東西線木場駅から徒歩約7分
















