加藤商店
都内に数件残る今や希少な”いり豆屋”
『加藤商店』は、昭和5年(1930)に創業し、3代続くいり豆屋。釘を使わない木製ケースは今でも現役で豆を湿気から守る。
おススメは殻を手でむいた千葉産の落花生(約72gで400円)。機械剥きが主流の今、ツヤがあり余計な熱が加わらない手剥きの落花生は格別な味わいだ。
千住宿 珈琲物語
器と香りを楽しむ大人のコーヒー空間
『千住宿 珈琲物語』は、店内で生豆から自家焙煎した珈琲豆を使い、まろやかで贅沢な香りのコーヒーが味わえる。大正ロマン風の内装にカップや食器もマッチ。
トーストやアレンジコーヒーのバラエティも豊富だ。自家製ポテトサラダがついたモーニングは8時から11時半まで。
成田酒店
昭和元年創業、千住文化を広める酒屋
『成田酒店』はベルギービールなど多種揃うが、特に強いのは日本酒。店舗の奥には火入れ専用の酒保冷室があり、徹底した温度管理を行う。足立区のご当地ビールや焼酎の品揃えも豊富だ。
サニーダイナー本店
『サニーダイナー本店』のバーガーは、荒挽きで肉汁たっぷりのパティを地元のパン屋「ふらんすや」の特製バンズが受け止め、ボリューム大なのに不思議ともたれない。
ザクザク食感のフライドポテトも絶品!
まんまる
『まんまる』は、小さな飲み屋が集う「毎日通り飲食店街」の一角、ゆったりした店構えのもつ焼き屋。ひとりでも気ままに飲める。
江戸の内と外を繋いだ要衝地を歩く
JRほか各路線が5つも乗り入れする北千住駅の周辺は、巨大な商業施設や教育施設のビルが並び、一見すると均一化された新しい街に見える。しかし北千住は、何と言ってもその歴史的背景抜きには語れない。
徳川幕府が江戸と各地方を結ぶ五街道を整備し、江戸・日本橋に最も近い四宿のひとつが「千住」であった。旅の拠点であり松尾芭蕉の「奥の細道」も北千住から始まった。
旧日光街道は千住地域を南北に貫き、今も街道沿いを中心に多くの商店街がにぎわう。昭和の色濃い個人商店が多いが、高齢化が進む。いつか訪れてみよう……などと思わず、気になったらすぐに出かけてみることを強くお勧めしたい。
街中に残る江戸時代の建物と、長~く続く個人商店、そして新旧入り混じる飲食店の数々……これらが折衷して、まるでモザイクのように千住という街並みが出来上がっている。
また江戸の町割が今も路地として残り、思わず歩いてみたくなる細い道が多い。散策中は、住宅街の中や個人宅の庭先にお稲荷様の祠を多く見かけた。これも東京23区内では非常に珍しいはず。
うろうろ散策して、疲れたら数あるお店で一休み。江戸から昭和、そして平成の時の流れを体感できる街、それが北千住なのである。
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