江戸時代、東北諸藩の年貢米などを中継する水郷の街として栄えた佐原。伊能忠敬の育った地としても有名なこの街をぶらり散策、ニンマリうなぎしてきました。
画像ギャラリー麻生屋本店
『麻生屋本店』は小野川と利根川がぶつかる水門近くにある、創業200年近い老舗。蒲焼とパリッと焼いた白焼きを源平に見立てた「源平重」が人気だ。
「源平定食」ではひつまぶしにもできる。また予約をすれば利根川のうなぎを食べることも可能だ。
長谷川
上品な甘さのタレでいただく極上うなぎ。今も昔も贅沢な逸品なり
『長谷川』は佐原駅にほど近い住宅地の中にある、江戸時代から続く老舗。照りが美しいうな重のタレは甘口だが、最上白味醂をたっぷりと使ったもので、後味は思ったよりも上品であっさり。
程よく脂ののったうなぎとのバランスが絶妙だ。地元のファンも多く、テレビでも紹介され行列必至の人気店。
見てよし、食べてよしな半日小江戸旅ならココ!
JR成田線佐原駅にほど近い街道を歩くと、道の両側に江戸から明治にかけて建てられた洋風建築や住居も兼ねていた蔵(見世蔵)、木造の町屋が、少しずつ軒を連ね始める。
やがて幅4m ほどの小さな小野川にぶつかる。
柳が優雅に枝を垂らすこの川沿いが、佐原に残る小江戸エリア(重要伝統的建造物群保存地区)の中心地だ。
この地に30年近く暮らし、のちに日本を測量した伊能忠敬の旧宅や、町屋を改築した飲食店などがぎゅっと密集して建ち並ぶ古き街並みは、“江戸優り”と呼ばれた当時の繁栄ぶりを十分に感じさせてくれる。
それらを巡る散策もいいが、小野川を小舟に乗って巡るのも面白い。
ガイドの説明に耳を傾け、さらに川に降りるいくつもの階段や数多くの橋など、歩く目線とは違う風景の背後に、江戸に暮らした人々を想像すれば、「てやんでぇ」なんて慌ただしく行き交い、生き生きと暮らした江戸人の姿が目に浮かぶはず。
ところでこの小野川と、やがてぶつかる利根川は、かつてはうなぎがよく獲れたそうで、江戸時代から続く老舗が数店舗、暖簾を出す。
しかしうなぎが減り、型も小さく数も揃わないので、現在は国産の養殖物を使う店が多いという。
また水運の街で力仕事が多かった名残か、どこもタレが濃い目の印象だ。
とはいえ白みりんをたっぷりと使いあっさり仕上げたり、大ぶりで脂ののったうなぎに負けぬようしっかりした味にしたりと、店により様々。
お腹に余裕があれば食べ比べてみてほしい。
小江戸散策、うなぎ満喫、さらに少し足を伸ばせば、全国の香取神社の総本山である香取神宮もある。
立派なご神木に囲まれた黒い社は必見の厳かさだ。
見てよし、食べてよし、祈ってよしの小さな旅。
ぜひ一度、足を運んで堪能してみてほしい。
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