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スープと同じくラーメンの味を左右する麺。自家製麺の店も増えているが、今回は業界を代表する 3つの製麺所に注目、『おとなの週末』ライター肥田木が取材しました。それぞれの麺作りの姿勢は……いやあ、こうも奥深いものとは。感動を呼ぶ(?)麺物語。最後は、菅野製麺所!

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『菅野製麺所』

少量&多品種体制に方向転換した麺作り

特性を持たせた麺で1杯のストーリーを

今やラーメン店は単に美味しいだけで売れる時代ではない。『菅野製麺所』が目指したのは、麺にストーリー性を与えること

どういう意図でその小麦粉を使い、この太さで、食感で、その店のスープの特性に合わせて作っているのか。店主と一緒に一杯の物語を完成させる。

そんな細かいリクエストを実現させたのが、2011年に新設した24時間フル稼働の工場体制だ。

「少量でもバリエーション豊かな多品種の麺を作れるよう製造ラインを倍の8ラインに増やしました。工場の中に小さな製麺所が8つ入るイメージと言えばわかりやすいでしょうか。自信を持って店で出してもらうため安全と衛生面を高めています」

菅野善男社長は力を込める。

製造するオリジナル麺は現在約500種。工場では稼働状況を一瞬で把握できるモニタリングシステムを導入したほか、出荷後も麺の成分が規格内で維持されているかを追跡検査するなど、独自の取り組みで安定した品質を全国に送り出している。

店との共同開発は1か月から半年ほどかけて仕上げるが、中には1年以上も話し合いを重ねる場合もあるとか。繊細な要望に応える信頼関係は最大の武器だろう。九州にある博多ラーメン店も地元でなくわざわざ遠方の同社から仕入れるほどだ。

ちなみに近年の傾向は全粒粉入り。

「銘柄鶏など特性ある材料を使う店も増え、合わせる麺にも香り立つ味が求められる。固定概念やスタイルにとらわれない時代になった」

とは営業部長で製麺技能士の平賀貴博さん。

「誰でも気軽に相談してもらえるような生活に密着した会社でありたい」。

菅野社長はこのひと言で締めくくった。

取引先はあの有名な大企業から商店街の小さなラーメン店の親父まで。規模の大小に関係ない。あるのは麺への情熱。人生で大切な本質を、学んだような気がした。

■菅野善男さん
「菅野製麺所」代表取締役社長。平成23年に少ロット・多品種生産を特徴とする工場を新設し、要望の麺に対応できる体制を確立。1日10~12万食を生産し、沖縄以外全国2500店舗に卸している。他に中華まんなど小麦粉を使う惣菜工場もある

菅野製麺所の麺を堪能できるラーメン店

『麺屋 翔 西新宿本店』@新宿西口

半年に1回は改良する麺とスープの変化が楽しい

ほんのり色付いた麺は全粒粉入り。オーナーの故郷、北海道産小麦粉を使い、やや厚めにすることで香り高く奥行きのあるスープとの調和を演出している。

しかーし! 何と麺もスープも進化を続け、半年に1回は微妙に(あるいは大胆に)変えているとか。つまりいつ訪れても新しい感動に出合えるのだ。

鶏や魚介のダシ感が際立つ看板の塩味もぜひ。

菅野善男さん
「話し合いを重ねて共に改良したストーリー性のある麺を味わえます」

店長:渡邉瑶平さん
「現状に満足せず高みを目指して改良する麺で、飽きさせない味を作っています」

[住所]東京都新宿区西新宿7-22-34
[電話]03-3364-5787
[営業時間]11時~15時、18時~22時(土・日・祝の夜は17時~21時)
[休日]無休
[交通]都営大江戸線新宿西口駅D5出口から徒歩5分、JR山手線ほか新宿駅西口から徒歩10分

撮影/大西尚明 取材/肥田木奈々
※店のデータは、2021年2月号発売時点の情報です。

※全国での新型コロナウイルスの感染拡大等により、営業時間やメニュー等に変更が生じる可能性があるため、訪問の際は、事前に各お店に最新情報をご確認くださいますようお願いいたします。また、各自治体の情報をご参照の上、充分な感染症対策を実施し、適切なご利用をお願いいたします。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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