セコマブランドを表示しないOEM商品も
――(JR東日本のエキナカで展開する)「NewDays」さんで行われた北海道フェアでもセコマさんの商品が並んでいました。前回の取材ではウエルシアさんの店舗へ伺ったのですが、どのくらいの数の会社とお取引をしていますか?
「会社さんによって取扱期間は通年だったり、スポットだったりケースバイケースですが、全国300社ほどお取引があります」
――セコマブランドとOEM(他社ブランド生産)の割合はどのくらいでしょうか
「ほとんどの小売店さんがセコマブランドのものを希望されます。一部、OEMで小売店さんのブランドとして展開しているものもあります。牛乳であれば『豊富牛乳公社』、アイスであれば『ダイマル乳品』という会社名が製造者名に記載されていれば、セコマグループで作っている商品ですね」
――これは「隠れセコマ」と言っても良いのではないでしょうか。もしかしたら意識をしていないところで私たちがセコマさんの商品を購入している事もありそうですね。外販するために製造体制も拡大されたのでしょうか?
「そういう機会もあると思います。(製造体制については)大規模に増やすということはなく、今ある設備の稼働率を上げています。製造能力にも余力があるので、その範囲で効率的に稼働させることでお客様にお求めやすい価格で提供できることに繋がっていきます」
――他に外販事業において重要なポイントはありますか?
「外販で重要視していることは、お客様が普段購入されている商品とほとんど変わらない価格で買っていただくことです。お土産品のように高いものではなく、日常の商品として購入できる価格で北海道の商品を楽しんでいただくことが、先ほど話していた商品を育てる、それが定番化につながっていくと考えています」
――「110円(税抜き)パスタ」を最小限のプラス料金で食べられるのは大変ありがたいことなんだと感じました(笑)
「そうですね(笑)。そのような価格で買っていただくためには物流ルートの構築も非常に大事です。北海道は唯一、橋でつながっていない場所で、輸送コストもおのずとかかってくるので、できるだけコストを下げることがカギです」
――確かに。購入してくれる小売店を見つけることばかりに目を向けていました
「特に牛乳やアイスなど北海道の商品は温度管理が必要なものが多いので、トラック、倉庫の体制も冷蔵、冷凍対応していなければなりません。東京の部署ではそういった対応ができる業者さんを見つけて交渉することも大きな業務のひとつです」
――物流ルートを確保して外販事業が成り立つ訳ですね
「もともとは、トレーラー1本分の商品を製造して北海道から取引先まで運ぶというお取引がメインでした。こういった取引規模がないと、アイス10ケースで売るような量では店頭で販売される価格が(北海道のセイコーマートと比べ)かなり高くなってしまいます。店頭での小ロットの販売をするためには、商品がストックできる中継地点を作らなければなりません。2018年には茨城県に倉庫を作って小ロットのご注文と配送に応えられるようにしました」