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魚に生麩や湯葉、おばんざい 「京の台所」で教わったおススメの食べ方

旅も終わりにさしかかった夕刻、主婦の習慣が抜けない筆者が向かった先は、「錦市場」(中京区)です。400年以上もの歴史を誇る「錦市場」は、「京の台所」と称され、400メートルほどのアーケード通りは、地元の買い物客を中心に賑わっています。130店ほどが軒を連ね、サバや琵琶湖産の川魚、えび芋などの京野菜のほか、生麩や湯葉、黒豆や昆布などの乾物。おばんざい(お惣菜)から、調理道具など一堂に揃い、観光客にとっては、京ならではの食文化にふれることができる魅力もあります。

赤・黄・緑のアーケードが美しい錦市場。道幅は3.3mから5mほど=京都市中京区(中島幸恵撮影)

興味津々で店先をのぞいていると、お店の方が親切に、おススメの食べ方を教えてくれるのも楽しいもの。なかでも、目をひいたのは「生麩」。小麦粉に水を加えて練り、抽出したグルテンを餅粉とあわせて蒸したもの。いままで調理したことのないこの食材、この言葉の響きに期待が高まり、天保年間創業の京生麩の専門店「麩房老舗」(ふふさろうほ)へ。お店に入ると、しろやよもぎなどさまざな種類の創作生麩のほか、こしあんと青のりを生麩で包んだ「麩まんじゅう」などが色鮮やかに並べられており、繊細な京料理を垣間見るよう。「生麩は煮物に入れたり、焼いてもおいしい。いろいろな食べ方ができますよ」。お店の方が教えてくれたので、早速、しろとよもぎの生麩を購入しました。

川魚を扱っている店では、鮒寿司をはじめ、さまざまな“琵琶湖産”が店頭に並んでいた=京都市中京区「錦市場」(中島幸恵撮影)
料理好きならぜひ訪れたい料理道具専門店「有次」。壁一面、包丁が並ぶさまは圧巻。
手入れの仕方も親切に教えてくれる=京都市中京区「錦市場」(中島幸恵撮影)

奥深い京料理の世界にますます魅了されて

帰宅後、初めての生麩を使った料理に挑戦!まずは、生麩を油で揚げて、みりんや砂糖、柚子の果汁を加えて甘めに仕上げた味噌を塗った生麩田楽のできあがり。味噌が生麩にとろりと馴染んで、モチモチした食感が家族にも好評です。冬の定番、おでんにも加えてみたところ、味がしみ込んでしみじみとしたおいしさ。淡泊であるがゆえ、味の七変化を楽しめる生麩の実力に驚きです。

普茶料理や生麩を知る…それは伝統的な日本の食文化を知ることでもあります。奥深い京料理の世界にますます魅了された旅の終わりでした。

「閑臥庵」
【住所】京都市北区烏丸通鞍馬口東入ル278
【営業時間】昼12時~15時 最終入店13時 
      夜17時~21時 最終入店19時  ※お食事での入山は12時以降となります
【定休日】年末年始
【料金】「竹膳」1人前9680円(税、サービス料込)、2名より事前予約
※時季の仕入れによってメニュー内容が変更
【電話】075‐256‐2480

「錦市場」
【住所】京都市中京区西大文字町609
【電話】075‐211‐3882(京都錦市場商店街振興組合)

※新型コロナウイルス感染拡大に伴い、政府およびお住いの都道府県ならびに京都府の要請など最新の情報をご確認ください。

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中島幸恵
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