お酒の旨みまるごと。どぶろくブームがクル!?
では早速、どぶろくをいただこう。一杯目は定番の「平和どぶろく prototype#2」(70ml/400円、120ml/650円)。こちらは和歌山の本蔵で仕込まれたもの。スッキリとしていてキレがあり、「紀土」に通じるクリアできれいな飲み口だ。
オススメのペアリングは、「金山寺味噌とクリームチーズのクラッカー」(2個・450円)。金山寺味噌のふくよかな甘みとクリームチーズのなめらかさが口中で一体化し、どぶろくの旨さを底上げしてくれる。
このお店の真骨頂は先に触れた通り、こちらで醸造した「本日の限定どぶろく」がいただけること。
この日は「黒豆」、「小豆」、そして「ホップ」(いずれも70ml550円、120ml950円)の3種類。
「もともとは農家などで造られていた庶民の飲み物であるどぶろくですから、小豆や黒豆など身近な素材で造るのは歴史を振り返ると当たり前だと思います」と、4代目社長の山本典正さんは言う。
まずいただいたのは「小豆」のどぶろく。美しい色みと少し残る小豆の粒に目を奪われる。米も含めたつぶつぶ感があるので、しっかりと噛み締めながら素材を慈しむようにいただく。
こちらには「てづくりごま豆腐」(450円)を。濃厚なゴマの味わいと合わさって、豆のもつ旨みが増幅されるように感じた。
ごま豆腐は和歌山の伝統ある醤油蔵「堀河屋野村」の三ッ星醤油で。米、豆、ゴマなど、さまざまな風味が口中に行き渡り、口福で満たされていく。
途中で塩を入れて味変すると、小豆のもつ自然な甘みがより引き立つ。米と豆の輪郭がハッキリと現れてくる感覚を味わえた。
そして「ホップ」はその通り、ビールなどで使われるホップを入れて仕込んだどぶろく。この日はタイプの異なる2種類のホップを使っていた。
グラスを鼻に近づけただけでホップ由来の華やかな香りが広がり、ビールのようなのど越しの良さが鮮烈。脳天を突き破るような衝撃的な味だった。