『ひつまぶし うなぎ 岡ひろ イオンモールナゴヤドーム前店』 @大曽根
刻んだうなぎと薬味をのせたまぶし丼が激安!
昨年4月、「イオンモールナゴヤドーム前」2階のフードコート内にオープンしたひつまぶしとまぶし丼の専門店。注文ごとに炭火で香ばしく焼き上げ、パリッと、ふわっとしたうなぎを提供している。
上うなぎまぶし丼 1100円(セール価格。通常1408円)
看板メニューの「ひつまぶし」は、1980円と激安。さらに、刻んだ蒲焼とネギ、ワサビ、海苔がのる「上うなぎまぶし丼」は、通常1408円を1100円で提供するセールを実施中。蒲焼は半身ほどだが、ファストフード感覚で気軽に味わえるのがうれしい。
[住所]愛知県名古屋市東区矢田南4-102-3 イオンモールナゴヤドーム前2階
[電話]080-3484-0543
『うな誠』 @新端橋
買い物ついでにうなぎを堪能できるSC内の格安店
地下鉄新瑞橋駅近くにある「イオンモール新瑞橋」3階のレストランフロアに昨年の8月開店。店の入り口近くには焼き場があり、職人たちがうなぎを焼く様子を外から眺めることができる。
ひつまぶし(上) 2288円
「うな丼」と「ひつまぶし」は、うなぎの量によって価格が異なる。大きめのうなぎを使っているので、4分の3尾分が入る「うな丼(しぶさん)」(2288円)と「ひつまぶし(上)」(2288円)でも十分に満足できるだろう。それぞれ吸い物と香の物も付く。
[住所]愛知県名古屋市南区菊住1-7-10 イオンモール新瑞橋3階
[電話]052-602-6770
格安うなぎ店の登場は新たな食文化の幕開けだ
名古屋の街は他の都市と比べてうなぎ屋が多い。ひと昔前は創業50年以上の老舗店が人気を集めていた。親から子へ、子から孫へとお気に入りの店が受け継がれてきたのである。2000年代初頭に名古屋めしのブームが起こり、ひつまぶしに注目が集まると、市内のうなぎ屋に若者が足を運ぶようになった。
それまで店を訪れていたのは50代以上の中高年ばかりで、先細りしていくのは目に見えていた。ひつまぶしが名古屋のうなぎ屋の窮地を救ったのだ。うなぎの価格が高騰して、店に足を運ぶ回数こそ減ったものの、ひつまぶしの人気は衰えることはなかった。
それどころか老舗店だけにオイシイ思いをさせまいと、名古屋駅や栄に新しい店が続々とオープンした。開店ラッシュに拍車がかかったのは、新型コロナの影響もあった。感染拡大によって客足が遠のいた居酒屋などがうなぎ屋に業態変更したからだ。
かくして名古屋の街にうなぎ屋は増え続け、今や飽和状態にある。そこで現れたのが格安のうなぎ屋である。今回紹介した、『うなぎのうな泰 錦店』と『大衆鰻の店 うな大』は、調理も接客も完全にシステム化されていた。
それはチェーン展開することを見越してのことだろう。すでに多店舗展開している『大衆鰻料理店 うなぎ家』のオーナー、松井歓さんは、「今後は都心部で昼のみの間借り営業する店を増やしていきます」と語った。
格安店の登場により、うなぎを気軽に楽しめるようになったのは素晴らしいことである。とはいえ、うなぎの食感や香ばしさは従来のうなぎ屋には及ばない。まだまだうなぎの質も調理法も改良の余地がある。
回転寿司が登場したときに「あれは寿司ではない」と揶揄された。格安うなぎも同じような議論が起こるだろう。しかし、回転寿司は努力を重ねて今や完全に市民権を得た。人々も寿司屋の寿司と違うと納得した上で回転寿司に足を運んでいる。
それと同様に、格安店が研究を重ねて今以上にもっと美味しくなれば、従来のうなぎ屋と共存共栄をはかることも可能だろう。うなぎ好きの筆者としては、お互いに切磋琢磨して名古屋の地に新たなうなぎ文化が築かれていくことを期待している。
撮影・取材/永谷正樹
※2022年8月号発売時点の情報です。
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