高級食パンブームに「陰り」 専門店乱立で価格と商品価値がミスマッチ?
いまや、日本人の主食はご飯からパンへとシフトしています。
なかでも、二斤1000円を超える高級食パンは、“手ごろなぜいたく”がウケて数年前からブームとなり、高級食パンを販売する専門店が各地に相次いで進出したほか、大手ハンバーガーチェーン店も参入するなど競合が激化しました。
ただ、毎日食べる主食に高価格を捻出し続けられず、価格に見合った商品価値が見い出せないといった消費者離れを起こし、2022年、ブームにかげりが見られています。
追い打ちをかけるように、ロシアによるウクライナ侵攻や急激に進む円安の影響で小麦価格は高騰、やむなく値上げせざるを得ない状況となっています。閉店が増える一方、新規の出店は、頭打ちとなっているようです。
今回の天然酵母パンですが、1990年代前半、クッキングパパで初めて取り上げられた頃は、特に健康志向の強い人々の間で関心を集めました。その後、まるでゆっくり発酵するかのように社会に浸透し、多くの人の手で作られるようになりました。派手なブームはないものの、天然酵母パンのホンモノ志向に、いま一度、目を向けてみてはいかがでしょう。
文/中島幸恵、漫画/うえやまとち
◆『クッキングパパ』とは?
福岡市博多を舞台に、商社の営業課に所属するサラリーマン、荒岩一味が家族や同僚、友人らに得意な料理の腕前を披露、食を通じて周囲の人々に笑顔とパワーを与える物語。作中ある料理のレシピは、定番料理からオリジナルメニュー、地元九州の郷土料理まで多岐にわたり、詳細なイラストとポイントを押さえた簡潔な説明はいま、すぐ作りたくなると好評を博している。
週刊漫画誌「モーニング」(講談社発行)で1985年から連載している人気シリーズで、2022年4月現在、単行本は161巻。
※「おとなの週末Web」の記事では本稿紹介の漫画、クッキングパパ 「COOK.302 ホンモノの味 天然酵母パン」を一話丸ごと読むことができます。