ベストは、ワカメたぬきである。夏季限定の冷やしワカメたぬきそばもおすすめしたい。
たぬきの上に、おろし生姜をふた匙乗せて、ずるるっとそばをたぐる。天かすがカリッと音を立て、桜エビの香りが抜け、つゆの旨みが食欲を掻き立て、生姜が後口を軽くする。
生姜をワカメの上に落として、ワカメの香りとの相性の良さを確かめ合うのもいい。僕は半分ほど食べたら、「かき揚げお願いします」と、裏技に出る。
温かいかけ汁に潜らせたかき揚げを千切り、蕎麦と一緒にたぐれば、なにか裕福な気分となって、箸を置く。
「ごちそうさん」。
そう告げて、僕は日常へ帰っていく。
立ち食いそばは、最後のこの掛け声が大切だと思う。
取材・撮影/マッキー牧元
画像ギャラリー
関連記事
あなたにおすすめ