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ゴーヤの本場!“長寿王国”沖縄で変化 男性平均寿命No.1から36位に転落

クッキングパパ 「COOK.546 夏を乗り切れ!ゴーヤーチャンプル」で描かれたゴーヤーチャンプル。沖縄の伝統食はいまふたたび注目の機運が高まっている

2022年、本土復帰50年を迎えた沖縄ですが、半世紀の間、食生活を取り巻く環境は大きく変わりました。

かつて、長寿=Okinawaとして世界的にその名を誇った沖縄では、「長寿の秘訣は食にあり」と言われ、ゴーヤのほかアグー豚、島豆腐、モズクなどを使った独自の食文化が発達していました。

しかし、米軍基地を多く抱える影響は食生活にも及び、早くからファストフード入ってきたりして、食生活の欧米化が次第に加速していきました。高脂肪食であるファストフードは肥満率を高め、生活習慣病を引き起こし、健康被害を生むのは周知のとおりです。

実際、厚生労働省が公表している都道府県別の平均寿命の統計をみると、1975年の統計開始時は男性が10位でしたが、80年、85年と1位へのし上がり、1990年には5位に転落。さらに2000年は26位と初めて全国平均を下回り、2015年には36位まで大幅に下落しました。

一方、女性も統計開始以来、2005年までトップの座に君臨し続けてきましたが、2010年3位に下がると、2015年は7位と男女とも過去最低となりました。他の都道府県同様、平均寿命こそ伸びてはいるものの、伸び幅が年々小さく抑えられているのです。

要因のひとつとして考えられるのが、男女とも65歳未満の死亡率がワーストと、主に生活習慣病に起因する健康被害が深刻である点です。

こうした状況に危機感を募らせてきた沖縄県では、いま、官民一体となってかつての“長寿王国、沖縄”を復活させるべく「2040年に男女とも平均寿命日本一」を長期目標としたプロジェクトが、あちらこちらで動き出しています。

特に若い世代の食習慣を見直すべく、小学生から健診結果を活用して栄養状態の改善に取り組むことで、親世代の意識改革も促しています。「ゴーヤーチャンプル」のような伝統食の良さも見直されつつあります。

沖縄で起こっている食習慣をめぐる事態は、現代人への警鐘でもあります。酷暑のさなかだからこそ、夏バテ防止に効く食材を積極的に取り入れるなど、ライフスタイルを総点検して、さらに健康を意識した毎日に努めていきましょう。

◆『クッキングパパ』とは?

福岡市博多を舞台に、商社の営業課に所属するサラリーマン、荒岩一味が家族や同僚、友人らに得意な料理の腕前を披露、食を通じて周囲の人々に笑顔とパワーを与える物語。作中ある料理のレシピは、定番料理からオリジナルメニュー、地元九州の郷土料理まで多岐にわたり、詳細なイラストとポイントを押さえた簡潔な説明はいま、すぐ作りたくなると好評を博している。

週刊漫画誌「モーニング」(講談社発行)で1985年から連載している人気シリーズで、2022年4月現在、単行本は161巻。

※「おとなの週末Web」の記事では本稿紹介の漫画、クッキングパパ 「COOK.546 夏を乗り切れ!ゴーヤーチャンプル」を一話丸ごと読むことができます。

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中島幸恵
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