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井上家の勝負メシ 父・真吾さんがつくる「真吾スペシャル雑炊」

計量を終え、プロテインを飲み、保温ジャーに入った 「真吾スペシャル雑炊」 を食べようとする井上選手

井上家には井上選手が試合前に必ず食べる「特別な食事」があります。

トレーナーでもある父・真吾さんがつくる特製雑炊、その名も「真吾スペシャル雑炊」です。現在、スーパーバンタム級で活躍する弟の拓真選手(WBOアジアパシフィック、日本王者)も試合前に食べています。

主に鶏肉、もち米、雑穀米、きくらげをはじめとするきのこ類、にんにくや葉物野菜など10種以上の具材を盛り込み、すっぽんスープを隠し味に入れています。具材は試合ごとに替わるそうで、かつてはサムゲタン風の味付け(当時は真吾さんの名前にちなんで「シンゲタン」と呼んでいたそうです)をしていたこともあります。減量直後の体に受け入れられるように消化に良く、エネルギーになりやすい具材をそろえました。

今年の6月7日に行われた世界5階級王者のノニト・ドネア選手(フィリピン)との2度目の対決の際も、食べた恒例の勝負メシです。

食材は真吾さんが自らスーパーに買い出しに行き、調達します。たくさんの具材は食べやすいよう小さめにカットし、さらに柔らかくするために圧力鍋で煮込み、食べる前に特製の卵黄漬けを乗せて完成です。

井上選手は、試合前日の計量終了後には体に負担をかけないよう時間をかけて、水分補給とエネルギー補給をしていきます。計量直後のルーティーンである経口補水液と水に溶かした糖質補給のジェルを最初に補給した後、絶妙なタイミングでこの特製雑炊を食べます。

計量が終わった井上選手や拓真選手が「うまい」と言って食べる姿に真吾さんは喜びを感じるそうです。父の愛情たっぷりの料理はリングで戦う息子たちの原動力になっています。

井上尚弥(いのうえ・なおや)

1993年4月10日生まれ。神奈川県座間市出身。小学校一年でボクシングを始める。高校一年でインターハイ・国体・選抜の三冠獲得。勝利を重ね続け、高校生にして、ボクシング史上初の7つのタイトルを獲得。プロ転向後は4戦目で日本王座に。日本を舞台に戦う日本人選手が多い中、文字通り「世界」を舞台に戦い6戦目で世界王座を獲得。8戦目での2階級制覇は当時、世界最速。この年、世界ボクシング界にて年間MVPを獲得した。

2018年5月25日には国内最短で3階級制覇を達成。同年開催のWBSSでは圧巻の70秒KO劇を見せた。2019年5月18日英国グラスゴーでWBSS準決勝を259秒TKOで制し決勝へ。2019年11月7日さいたまスーパーアリーナで行われたWBSSバンタム級決勝で12R 3-0の判定勝ちを収めWBSSバンタム級初代王者に輝いた。(公式ホームページより)

文/山本孟毅、写真提供/明治

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