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ロールスロイス、マセラティ…趣味はクルマ

そんなPANTAの趣味はクルマだ。1960年代末のスバル360、その次はサニー・クーペと始まってロールス・ロイス、マセラティ、BMWなどあらゆるクルマを乗り継いできている。オートバイもマニアでフェラーリ狂としても知られ、自動車関係の雑誌に数多く寄稿している。新車を買うことは稀で古いクルマを修理して乗るのが好きというのも、どこかPANTAらしいとぼくは思っている。何しろ50年以上の付き合い、会っても音楽の話はほとんどしない。クルマ、女性、政治に社会的出来事などが話題になる。

2021年、病に倒れ、長期入院を経て現在は自宅療養している。この原稿にかかる前に久々に電話で話した。コロナに感染するとまずいので外出は出来ないが、2022年末を目指してニュー・アルバムの録音がスタートしたと言う。PANTA、72歳。病にも負けず、そのロック魂は健在だった。

頭脳警察のアルバムの数々。発売禁止になった1972年の幻のデビューアルバム『頭脳警察1』(中央上)は21世紀になって再リリースされた

岩田由記夫
1950年、東京生まれ。音楽評論家、オーディオライター、プロデューサー。70年代半ばから講談社の雑誌などで活躍。長く、オーディオ・音楽誌を中心に執筆活動を続け、取材した国内外のアーティストは2000人以上。マドンナ、スティング、キース・リチャーズ、リンゴ・スター、ロバート・プラント、大滝詠一、忌野清志郎、桑田佳祐、山下達郎、竹内まりや、細野晴臣……と、音楽史に名を刻む多くのレジェンドたちと会ってきた。FMラジオの構成や選曲も手掛け、パーソナリティーも担当。プロデューサーとして携わったレコードやCDも数多い。著書に『ぼくが出会った素晴らしきミュージシャンたち』など。 電子書籍『ROCK絶対名曲秘話』を刊行中。東京・大岡山のライブハウス「Goodstock Tokyo(グッドストックトーキョー)」で、貴重なアナログ・レコードをLINN(リン)の約400万円のプレーヤーなどハイエンドのオーディオシステムで聴く『レコードの達人』を偶数月に開催中。最新刊は『岩田由記夫のRock & Pop オーディオ入門 音楽とオーディオの新発見(ONTOMO MOOK)』(音楽之友社・1980円)。

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