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会員にレコードが届く仕組み

1969年、日本初の自主制作レーベル~インディペンデント・レーベルと言えるURC(アングラ・レコード・クラブ)が誕生する。最初はレコード店で売るのではなく、会員を募って、会費を払った会員にはレコードが届けられる仕組みだった。今でいうクラウドファンディングの先駆けとも言える。

その第1回配布レコードが、A面に高田渡、B面に五つの赤い風船をカップリングしたLPだった。それ以前から知己のあった高田渡と五つの赤い風船のリーダー、西岡たかしは高田渡が亡くなる2005年まで刎頚の友となった。

同じステージに立つことの多かったふたりは、曲の間のトークでよく、“気に入らなかったらA面(B面)を紙ヤスリで削っちゃって下さいね”などとジョークを言いあっていたのが懐かしい。何度もCD時代に入ってもリイシューが続けられてきている『高田渡/五つの赤い風船』だが、A面の高田渡の部分には「自衛隊に入ろう」など、B面の五つの赤い風船の部分には「遠い世界に」など、後の音楽シーンに影響を与える名曲が収められている。

西岡たかしや五つの赤い風船の作品の数々

岩田由記夫
1950年、東京生まれ。音楽評論家、オーディオライター、プロデューサー。70年代半ばから講談社の雑誌などで活躍。長く、オーディオ・音楽誌を中心に執筆活動を続け、取材した国内外のアーティストは2000人以上。マドンナ、スティング、キース・リチャーズ、リンゴ・スター、ロバート・プラント、大滝詠一、忌野清志郎、桑田佳祐、山下達郎、竹内まりや、細野晴臣……と、音楽史に名を刻む多くのレジェンドたちと会ってきた。FMラジオの構成や選曲も手掛け、パーソナリティーも担当。プロデューサーとして携わったレコードやCDも数多い。著書に『ぼくが出会った素晴らしきミュージシャンたち』など。 電子書籍『ROCK絶対名曲秘話』を刊行中。東京・大岡山のライブハウス「Goodstock Tokyo(グッドストックトーキョー)」で、貴重なアナログ・レコードをLINN(リン)の約400万円のプレーヤーなどハイエンドのオーディオシステムで聴く『レコードの達人』を偶数月に開催中。最新刊は『岩田由記夫のRock & Pop オーディオ入門 音楽とオーディオの新発見(ONTOMO MOOK)』(音楽之友社・1980円)。

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