不飽和脂肪酸の種類をあらわす「オメガ」、不飽和脂肪酸の健康効果は?
最近は、「DHAなどの『オメガ3系脂肪酸』が健康に良い」などの情報を目にすることがあります。この「オメガ○系」というのはどのような意味なのでしょうか?
不飽和脂肪酸の分子には二重結合がありますが、酸素結合のない方の端から数えて何番目に最初の二重結合が来るかでオメガ系列が決まります。二重結合が3番目から始まるものが「オメガ3」、6番目から始まるものが「オメガ6」、9番目から始まるものが「オメガ9」です。オレイン酸はオメガ9系脂肪酸、リノール酸はオメガ6系脂肪酸、α-リノレン酸はオメガ3系脂肪酸です。
オリーブ油の主成分であるオレイン酸(オメガ9系脂肪酸)には、血液中のLDLコレステロールを下げるはたらきがあります。
ごま油に多く含まれるリノール酸(オメガ6系脂肪酸)や、亜麻仁油の主成分であるα-リノレン酸(オメガ3系脂肪酸)は、体内で合成できず、食べ物から摂取しなければならない「必須脂肪酸」です。これらは動脈硬化や血栓を防ぎ、血圧を下げるほか、LDLコレステロールを減らすなど、健康に有益な作用を持っています。
ただし現代の食生活ではオメガ6系脂肪酸は十分摂れているとも言われています。過剰に摂取すると動脈硬化やアレルギー疾患の悪化などを引き起こすリスクもあるため、オメガ3系脂肪酸をより意識して摂取することが推奨されています。
(参考)
[1] 不飽和脂肪酸|e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-031.html
[2] 脂質と脂肪酸の違い(食品分析開発センター)
http://www.mac.or.jp/technical/organicacid/index04.htm
[3] オメガ3脂肪酸について知っておくべき7つのこと(厚生労働省)
https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/communication/c03/05.html