油の「酸化されやすさ」とは?
答えは(2)の「オリーブ油」です。オリーブ油には「オレイン酸」が多く含まれます。オレイン酸は一価不飽和脂肪酸で、選択肢の中ではもっとも酸化されにくい脂肪酸です。
(1)のごま油の主成分は「リノール酸」と「オレイン酸」です。(3)の亜麻仁油の主成分は「α-リノレン酸」です。リノール酸やα-リノレン酸は、多価不飽和脂肪酸で、熱や光、空気との接触で酸化しやすく、過酸化脂質になるので注意が必要です。食物として摂る場合、なるべく熱を加えずにドレッシングなどに利用するのが向いています。
油(油脂)の構成要素である脂肪酸は、分子の構造から、炭素の二重結合をもたない「飽和脂肪酸」と、炭素の二重結合をもつ「不飽和脂肪酸」とに大別されます。二重結合は不安定な結合で、二重結合が多いほど酸化されやすくなります。
バター、牛脂、ラードなどに多く含まれる「飽和脂肪酸」は、二重結合を持たない「飽和状態」にあり、安定しています。オリーブ油の主成分である「オレイン酸」は、二重結合が1個だけの「一価不飽和脂肪酸」です。一価不飽和脂肪酸程度であれば比較的安定していますが、二重結合が2個以上含まれる「多価不飽和脂肪酸」になると、安定性が低くなり、酸化されやすくなります。ごま油に多く含まれる「リノール酸」は二重結合が2個、亜麻仁油の主成分である「α-リノレン酸」は二重結合が3個です。
なお、飽和脂肪酸は酸化されないので過酸化脂質に変化しませんが、中性脂肪・コレステロールの増加や動脈硬化を招く危険性があることが指摘されています。