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週刊漫画誌「モーニング」(講談社発行)で連載中の「クッキングパパ」は、主人公のサラリーマン荒岩一味が、得意の料理の腕を振るって、家族や同僚らとの絆を深めるストーリーが人気。

著者のうえやまとちさん自身が、試行錯誤を繰り返しながら作り上げた自信作のオリジナルレシピを、詳細なイラストと臨場感あふれる筆致で紹介しています。本稿では3月3日号で通算1600話を突破した膨大なエピソードのなかから、毎週1つを取り上げ、その料理にまつわる四方山話をお届けします。

長引くコロナ禍で、自炊をする人が増えているいま、「クッキングパパ」を参考に料理を作って食べて楽しんでみませんか。第36回は「丸ごとカボチャライス」です。

荒岩流特製「カボちゃんライス」はジャック・オ・ランタンに負けないド迫力!?

「ほらっカボチャを食っちまえよっ!!」という作中の言葉どおり豪快さが光る荒岩流「カボちゃんライス」レシピ(「第10巻「COOK.97 カボチャ野郎に乾杯!!」より)

10月31日は、「ハロウィン」です。ハロウィンのシンボルと言えば、カボチャを顔に見立てて、目や口をくり抜いて作るジャック・オ・ランタンが定番です。コミカルな表情が、ふだんは地味なカボチャの存在を際立たせています。

ハロウィン料理でも、カボチャを主役にしてみてはいかがでしょう。クッキングパパ第10巻「COOK.97 カボチャ野郎に乾杯!!」では、カボチャを丸ごと使ったユニークなライスを紹介しています。

カボチャは、ヘタの部分に小型ナイフを縦に突き立て、慎重に丸く切り落とします。ヘタは、カボチャを蒸すとき蓋にしますので、捨てずにとっておきます。ワタやタネは、丁寧に取り除きます。タネはオーブンで炒ると、香ばしくて美味しいです。

中に詰めるチキンライスを作りましょう。もち米は、洗ってひと晩水につけて置きます。

みじん切りしたニンニクを弱火で炒めて香りが出たら、5ミリ角に切った鶏肉を入れて炒めます。焼き色がついたら、水気を切ったもち米とシイタケ、シメジを加えて、弱火で10分ほど炒めます。味付けは塩コショウ、醤油をやや濃いめにふりかけ、もち米が透き通ったら火からおろします。

カボチャを器に見立てて、中にチキンライスをつめていきます。

まずは、カボチャの内側にバターを塗ります。チキンライスはぎゅうぎゅうに詰めすぎず、軽くふんわり盛ります。スープを半量ほど注いだら、ヘタでぴったり蓋をして蒸し器にセット。強火で40分蒸した後、10分程度冷まして食卓へ。ド迫力のカボチャを前に、ワッーと歓声が上がりそうですね。

ホクホクした甘みにほっこりしながら箸が進むなか、カロリーも気になるところ…。実際、カボチャは低糖質なうえ、抗酸化作用のあるカロチンが豊富で美容にも◎。「冬至にカボチャを食べると風邪をひかない」との言い伝えもあるほど栄養価も高いので、むしろ積極的に摂りたいですね。

元はカブだった!? ハロウィンの意外な起源

ハロウィンは、ヨーロッパが発祥と言われ、収穫を祝い、悪霊を追い払って死者を弔う宗教行事でした。元々、ジャック・オ・ランタンで使われていたのは、カブだったとか。カボチャのコミカルな表情に比べて、カブが青白い光を放つ姿は、何とも不気味な佇まいだったのではないでしょうか。

やがてハロウィンがアメリカに伝わると、カブの代わりに収穫量の多いカボチャに替わったそうです。宗教色は徐々に薄れ、仮装を競い合ったり、子供達が「トリック・オア・トリート!」と言って、家々を訪ねてお菓子をもらうといった恒例行事になっています。

日本でも、若者を中心に仮装を楽しんだりするイベントして定着しつつあるハロウィンが、今後、どんな広がりを見せるのか、気になるところですね。

文/中島幸恵、漫画/うえやまとち

◆『クッキングパパ』とは?

福岡市博多を舞台に、商社の営業課に所属するサラリーマン、荒岩一味が家族や同僚、友人らに得意な料理の腕前を披露、食を通じて周囲の人々に笑顔とパワーを与える物語。作中ある料理のレシピは、定番料理からオリジナルメニュー、地元九州の郷土料理まで多岐にわたり、詳細なイラストとポイントを押さえた簡潔な説明はいま、すぐ作りたくなると好評を博している。 週刊漫画誌「モーニング」(講談社発行)で1985年から連載している人気シリーズで、2022年10月現在、単行本は163巻。

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中島幸恵
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