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旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?

文/おと週Web編集部、画像/写真AC

■つぶつぶ

正解: フィンガーライム

難易度:★★★★★

「知る人ぞ知る」の注目の果物

フィンガーライムは、ミカン科ミカン属に属する常緑低木の果樹で、オーストラリアのクイーンズランド州やニューサウスウェールズ州の沿岸部にある亜熱帯雨林や乾燥林に自生しています。

先住民アボリジニにとっては、古くから「ブッシュフード(野生の食用植物)」として親しまれてきました。

最大の特徴は果肉の構造です。一般的な柑橘類のような房状ではなく、小さな粒状のサジョウ(果肉細胞)がぎっしり詰まっており、ひと粒ごとに果汁が閉じ込められています。

この粒は切ったときにこぼれることはほとんどなく、口の中ではじけるような爽快な食感が楽しめます。

味わいはライムに似たシャープな酸味と、ほんのりした苦みがあり、品種によっては甘みを感じるものもあります。

果皮と果肉の色も非常に多彩で、外皮は緑・茶・黒・赤・紫などがあり、果肉はピンク・白・黄緑・琥珀色など、品種によってバリエーションが豊富です。

オーストラリア国内では200種以上の自然変異が確認されており、商業的に流通している品種も十数種類存在します。

日本では近年、温暖な地域を中心にハウス栽培による取り組みが始まっています。耐寒性が弱く育成に時間がかかるため、生産量は限られており、スーパーなどではほとんど見かけません。一部の通販サイトでは、生果や冷凍品、苗などが販売されており、家庭栽培にチャレンジする人も増えています。

その独特な形状と爽やかな味わいにより、フィンガーライムは「食のアクセント」として高く評価されており、料理からデザート、カクテルに至るまで多彩な用途で活躍します。

たとえば、オイスターの上にフィンガーライムの果粒をあしらうと、レモンとはひと味違ったシャープな酸味と粒がはじける食感が加わり、味と見た目の両面で洗練された印象を与えます。

サーモンや白身魚のカルパッチョに添えれば、魚の旨みを引き立てつつ、軽快な酸味が後味に彩りを添えます。

デザートでは、ムースやアイスクリーム、チーズケーキなどに加えることで、見た目に華やかさが加わり、口に含んだ瞬間に爽快な風味が広がります。フィンガーライムならではの粒感が、味覚と視覚の両方に印象的な余韻を残します。

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美味しいフィンガーライムの見分け方
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この記事のライター

おとなの週末Web編集部
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