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「12月20日」。今日は何の日でしょう？答えは「デパート開業の日」！1904（明治37）年12月20日に東京・日本橋の『三井呉服店』が『三越呉服店』と改称し、欧米ではすでに主流となっていた、多種多様な商品を1店舗で販売する「デパート形式」での販売手法を取り入れた営業を開始しました。
昭和の時代、デパートは夢が詰まった場所
1904（明治37）年12月6日に、『三越呉服店』が設立され、何でも揃うアメリカン・スタイルの百貨店を目指すことを記した挨拶状「デパートメントストア宣言」を全国の顧客に宛てて発送しました。日本での「百貨店＝デパート」（以後デパート）の始まりはこの日からであるとされています。『三越呉服店』はその後、1928（昭和3）年6月に「三越」へと商号を変更しました。
三越はもとより、呉服店からスタートした老舗デパートといえば高島屋（1831年創業）や伊勢丹（1886年創業）がありますが、1929年には、阪急電鉄が大阪・梅田駅に創業した阪急百貨店がルーツとされている「電鉄系百貨店」が誕生します。東急百貨店、阪神百貨店、京王百貨店、小田急百貨店など、関東・関西の主要駅と直結するデパートは、電鉄系です。
デパートが盛り上がりを見せたのは昭和の高度成長期。デパートで買い物をすることにまだまだ特別感があった時代。「日曜日に家族でデパートへ買い物に行く」というのが、自慢でもありワクワクでもあったのが昭和でした。いつもよりちょっといいものを買って、帰りには上階のフロアにあるレストラン街でちょっと贅沢な食事をして帰ってくる。そんなちょっとのことがうれしかった子供たちがたくさんいたはずです。ちなみに筆者が子供の頃、「お金持ちになったら何が欲しい？」と聞かれ、「デパートが欲しい」と言った記憶があります。それくらいデパートには夢が詰まっていたのです。
時代の変化に乗って新しいデパートに！
昭和から平成、令和と時代が移るにつれ、「ショッピングセンター」や「ネット通販」「フリマアプリ」などの需要が高まって、「百貨店離れ」が顕著になり、デパートの業績は右肩下がりと言われています（百貨店協会データ）。
またここ数年、デパートに家電量販店が入ってきたり、100円ショップがフロアを占めていたりと様変わりをしています。デパート大好き世代にとっては、ちょっと悲しい現象ですが、それも致し方ないかもしれません。
ただ、近年ではインバウンド（訪日外国人）のおかげで売上も回復しているとか。確かに、デパートを歩いていると、あっちからもこっちからも外国語が聞こえてきます。そんな時代の変化の波にデパートがどう乗っていくのか。ぜひともこれからも、デパート大好き世代を楽しませてくれる「シン・デパート」を見せてくれることを願っています。
