旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■クイズの答えは……
正解:はくさい
難易度:★★☆☆☆
霜が降り始める頃から旨味が増す
驚いた人もいるかもしれませんが、はくさいも収穫しないでおくとアブラナ科の植物のため、菜の花にそっくりな花を咲かせるのです。
最近では品種改良をしたり、栽培方法を工夫することで通年市場には流通するようになっていますが、はくさいの本当の旬は11月から2月にかけての寒い時期です。
特に甘味が増して美味しくなるのは霜が降りる頃から。はくさいは寒くなることで実がギュッと締まって、甘味を蓄えるようになるからです。糖を蓄えることで寒さで葉が凍ることを防げるのです。
はくさいはクセがない味わいのため、鍋、漬物、煮物など、どんな料理にも使える万能野菜です。はくさいは韓国でもキムチの材料として欠かせない野菜で、キムチの仕込みも冬が最盛期となります。
日本では漬物以外は加熱して食べる野菜というイメージが強いのですが、海外ではサラダとして生のまま食べられることが多いようです。
最近、「霜降り白菜」という名称のはくさいが多く流通しています。これは甘味やシャキッとした食感を増すために、はくさいを傷めないように管理しつつ、あえて霜にさらすという手間のかかる栽培法で育てたブランド野菜です。もとは茨城県のブランド野菜でしたが、最近では、長野、山梨、茨城、栃木、埼玉などでも栽培されるようになっています。
美味しいはくさいの見分け方
頭の部分がギュッと閉じていてずっしりと重いもの、葉がシャキッとしたものを選びましょう。また、緑色が濃いめの外葉が付いたままのもののほうが日持ちがします。
カットされているものを選ぶ場合は、断面の色が茶色く変色していないものを。また、断面が盛り上がっていない平らなものが新鮮さの証拠です。はくさいはカットしても成長するため、カットされてから時間が経ったものは断面が盛り上がってくるのです。
はくさいの注目栄養素
はくさいには人間が冬の寒さに耐えるために必要とする栄養素が詰まっています。特に、ビタミンC、カリウム、マグネシウム、カルシウム、βカロテンなど、体力維持や免疫力を高める効果のある栄養素が豊富です。
それを先人たちは知っていたのか、中国から伝わった薬膳の考え方に基づいた「冬の養生三宝」のひとつに、はくさいが含まれています。ちなみに、養生三宝の残りの2品はだいこん、豆腐となっています。