一般的にクルマがよく売れる時期は、新型車として発売された直後のタイミング。例えばケーキでもラーメンでも、新作や新メニューが出た後は人気が出るのと同じこと。……しかし、スバルのフォレスターというクルマは、「新型モデル」が発表され、モデル末期なのに「先代モデル」が物凄く売れた! いったい何が起きたのだろうか。
「新型車になった直後が最も売れる」 しかし、フォレスターは違った!
冒頭にも述べたが、クルマは新型車になる(フルモデルチェンジを行う)とかなり売れる。その後、マイナーチェンジなどによって多少の販売数の増減はあるものの、基本的には一貫して売れゆきが下がり、フルモデルチェンジを行うと再び盛り返す……という流れ。
ところが、スバルの先代フォレスターは、フルモデルチェンジを控えた最終段階で、売れゆきを大幅に増やした! 新型フォレスターが発表されたのは2025年4月だが、遡ること同年1月の登録台数は前年同月の1.3倍で、2月は1.7倍。そして、3月は1.9倍に達した!!
新型フォレスターが発表された4月も、先代モデルは前年とほぼ同数が登録されている。4月の時点では、新型の納車はほとんど始まっていないため、大半が先代型の登録だ。
「価格が50~80万円は上がる」という予測は的中した!
先代フォレスターが、モデル末期の2025年前半に売れゆきを急増させた背景には、「新型の披露の仕方」がある。新型フォレスターが最初に紹介されたのは2023年11月だ。この時点で日本で販売される仕様の詳細は不明だったが、外観や内装の写真は公開され、新型フォレスターの存在は明らかになっている。

そして2025年に入ると、販売店では、「新型フォレスターは安全装備を進化させ、11.6インチの大型センターディスプレイやカーナビも標準装着されるので、価格が50~80万円は上がる」と案内するようになった。
先代フォレスターで売れ筋だった、ターボエンジンを搭載するスポーツグレードの価格は346万5000円だった。フルモデルチェンジを受けて、価格が50~80万円高まれば396~426万円となる。
そして実際の価格。スポーツグレードの価格は404万8000円、アイサイトXを装着したスポーツEXグレードは419万1000円だから、販売店の「50~80万円は高まる」という案内はおおむね当たっている。