「新型」より「先代」が急に売れはじめた数多くの要因
気になるのが、新型フォレスター発表後のユーザーの反応。いくつかの販売店へ取材してみると、おおむね次のように返ってきた。
「2023年に新型フォレスターの外観が明らかになると、お客様から概要がわかったら教えてほしいと頼まれるようになりました。そこでメーカーから伝えられた装備や価格の概略を話すと、先代フォレスターの在庫車を購入するお客様が増えたんです。
新型フォレスターは価格が上がり、値引きはできないけど、先代モデルなら価格が安く値引きも可能。新型より割安感のある先代モデルは人気になりましたね」
価格だけでなく、新型のボディサイズやデザインも影響を与えたのだろう。フォレスターの新旧モデルを比べると、ボディサイズは同程度で、居住空間や荷室の広さにも大差はない。実用性を重視するなら先代モデルもいい! というユーザーが一定数いたということだ。
さらにデザインについて。販売店によると「フロントマスクなどの外観の好みで、新型ではなく先代モデルを選んだお客様もいた」という。新型の外観は水平基調で重厚感はあるが、先代型に比べると軽快なスポーティ感覚が薄れているのも、影響しているだろう。
もうひとつ。2023年に北米で新型フォレスターが披露された後も、従来型(先代モデル)に特別仕様車を設定するなど、フルモデルチェンジの直前まで商品力を高く保っていたことも、2025年3~4月の最終段階で登録台数を急増させた要因といえる。