お米と同様、値段が高止まり状態なのが、クルマに使うガソリンだ。公共交通網が充実していない地域で暮らす人にとっては、移動手段であるクルマとガソリンは生活必需品。それゆえ、高い価格は日々の生活を圧迫するが、ガソリン価格の中身が「税金まみれ」で、小難しい「カラクリ」があること、ご存じだろうか?
ガソリンが185円/L超えないようにする補助金はあるが……!
2025年5月中旬時点で、レギュラーガソリンの全国平均価格は183円/Lに達する。プレミアムガソリンは194円だ。軽油は163円になる。
現時点で政府は、燃料価格の高騰を抑えるため、石油元売り会社に対して補助金を支払っている。レギュラーガソリンが185円/Lを超えないようにするのが補助金を支払う目安だ。
直近では、アメリカの相互関税の実施などにより、世界的な経済の冷え込みが予想される。この影響でレギュラー価格が185円/L以下になると予想され、補助金は控えている。実際に少し前までレギュラー価格は185円/Lを超えていたが、今は若干ではあるが下まわっている。
それにしても、レギュラーガソリン価格が185円/Lという目安は相当に高い。1990年から2010年頃まで、レギュラーガソリン価格は、1L当たり100円から140円程度で推移していたからだ。185円では、比率に換算すると以前の1.3~1.9倍に達する。
2019年以前は消費税率が8%以下に留まっていたが、それでもレギュラーガソリン価格が185円/Lを超えないようにする発想は、明らかに割高で無理がある。
加えて、今は所得が伸び悩んでいる状況。1L当たり100円から140円だった時代と同等か、むしろ下まわっている。所得は増えず、物価は燃料価格を筆頭に高騰しているのが現状だ。