ガソリン本体の価格は約110円、残りは税金まみれ!
自動車取得税も同様だ。以前は「自動車取得税は消費税率が10%になったら廃止する」とされていた。消費増税10%に伴って、確かに自動車取得税は廃止されたが、ほぼ同じ内容の「自動車税環境性能割」という新しい税金が導入されている。
一般財源になったから自動車税に組み込まれたが、税額や徴収方法をユーザー側の視点で見れば、これは自動車取得税にほかならない。
以上のようにガソリン税は間違いだらけだ。レギュラーガソリン価格が183円/Lになると「下がった」と表現されて、補助金も交付されなくなるが、一般ユーザーとしては、150円/L以下にならないと「下がった」と感じない。
なお、レギュラーガソリン価格が183円/Lでも、ガソリン本体の価格は約110円にすぎない。残りの約73円は、53.8円のガソリン税を筆頭に、消費税、石油石炭税、温暖化対策税で占められる。
クルマの燃料が生活必需品になっている今、燃料の課税を根本的に見直す必要がある。
文/渡辺陽一郎(わたなべ よういちろう):自動車月刊誌の編集長を約10年間務めた後、フリーランスに転向。「読者の皆様にケガをさせない、損をさせないこと」を重視して、ユーザーの立場から、問題提起のある執筆を心がける。執筆対象は自動車関連の多岐にわたる。
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