「補色」関係にある“心の色”を持った相手はいるか
こうして今の我々の衣装の色が決まったのだけれど、この色彩学は学びを深めていくとまた面白い。
色が人に与える影響って大きいのだ。
このコラムも、もし全部の色を赤色にした場合、
黒色よりも同じ文章だったとしても攻撃的に感じるし、
黒髪の人よりも、紫色の髪をした人の方が警戒はするらしい。
もう、大体の人間は、そう脳が処理するように作られているのだ。
髪の話で言えば、色というより、単に髪を紫にしたと選択をした人間性に警戒をする気もするけれど。
要は、人は目から入る情報に頼っていて、
色はその視覚的情報の内訳で大きな割合を占めているのだ。
女性化粧品で「もうほぼ同じような色だろ」と思わず口にしてしまうようなリップやら口紅やら、
私には何に使うか分からない色のついた粉たちも、
相手に与える印象が少しでも変わるのだから、
よりベストなチョイスをするためにあれだけ選択肢があるのだと納得もいく。
この色彩学における補色というのは、日常の様々なところで利用されていて、
広告でも、インパクトのあるものを作ろうとする際には、
この補色を意識して配色され、目立つように作られているし、
デザイナーの衣服のコーディネートでも参考になったりするようだ。
世の中にあるものを今後は色の観点から見てみるのも面白いだろう。
加えていうと、日本の固有の名前のついている色は約2100種類もあるというけれど、
海外問わず人間の認識できる色は、750万種類にものぼるらしい。
そんなにたくさんの色があるのに、
それぞれの色に補色と呼ばれる、相手を(場合によっては双方を)引き立てる色が存在するのだ。
なんだかロマンチックではないか。
750万も種類があるのに、どの色にも、引き立て合う色が1色は存在するのだ。
沈殿物で澱んだ私の心の色にも、補色関係にある心の色を持った相手がきっといるに違いない。
不思議と、そう思えてくる。
私が薄汚れているから、せめて補色の人には綺麗な心でいてもらいたいものだけれど、
読者諸兄姉にも、自分の補色を探すつもりで意中の相手を見てみるといい。
まあまずは自分の色を自分で把握するところから始めないといけないのだけれど。
前田裕太(まえだ ゆうた)
1992年8月25日生まれ、神奈川県出身。愛媛県の名門、済美高校野球部の同期である高岸宏行とのお笑いコンビ「ティモンディ」のツッコミ担当。趣味はサッカー観戦、読書。テレビ番組で画力を披露したり、複数メディアでコラムを執筆するなど、マルチな活動で注目を浴びている。
ティモンディ
高岸宏行・前田裕太によるお笑いコンビ。コンビ結成は2015年、グレープカンパニー所属。高岸のポジティブなキャラクターや、二人の野球経験と身体能力などがバラエティ番組で引っ張りだこに。コンビの野球経験をいかしたYouTubeチャンネル『ティモンディチャンネル』の登録者数は約28万人。