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お屠蘇から小豆粥まで…1月の代表的な行事食

1月の代表的な行事食を、行事の日にち順にまとめます。

・お屠蘇(元旦)
お屠蘇は一年の無病息災を願い、元旦に飲む特別なお酒です。現代では日本酒で代用されるのが普通ですが、本来はお屠蘇は屠蘇散(とそさん)と呼ばれる数種類の生薬を配合したものを、日本酒やみりんに漬け込んだ薬草酒です。元旦に、おせちを食べる前に飲むのが正しいとされています。

・おせち(正月三が日)
おせちは、一年が良い年となるように、「無病息災」、「子孫繁栄」、「商売繁盛」、「五穀豊穣」、「厄除け」など、さまざまな意味を持つ縁起物をとりそろえたものです。普段は家事に追われる主婦が正月の間は家事から解放されるように、保存性の高いものが主となっています。正月三が日に食べるのが一般的ですが、大晦日に食べる地域も一部にあります。かつては新年を迎える行事食として大晦日に食べるものだったという説があります。

・お雑煮(正月三が日)
お雑煮の起源には諸説ありますが、室町時代の京都が発祥という説が有力です。ハレの日の料理として供されていましたが、お正月にお雑煮で祝う行為は1700年代後半から1800年代初めの間に全国に普及していったと言われています。

・七草粥(1月7日、人日の節句)
古代中国には、正月七日の「人日」の日に、「七種菜羹」(しちしゅさいこう)という七種類の野菜を使った吸い物を食べて邪気を払う風習がありました。一方、日本には古来より、年の初めに若菜を摘む「若菜摘み」の風習がありました。これらの風習が合わさり、七草粥を食べる風習が出来上がったと考えられています。

・おしるこ、ぜんざい(1月11日、鏡開き)
お正月をお祝いする期間を「松の内」と言い、その間は鏡餅の中に年神様がいると考えられています。松の内が過ぎ、年神様を見送った後に、お供えしていた鏡餅をおろして、無病息災を願っておしるこやぜんざい、雑煮などに入れて食べます。これが「鏡開き」の行事で、地域によって差がありますが、1月11日に行われるのが一般的です。

・小豆粥(1月15日、小正月)
前述の「七種粥」の行事に端を発し、1月15日の小正月に小豆粥(あずきがゆ)を食べる風習があります。赤い色には邪気を払う力があるとされ、小豆は厄除けになると考えられています。

おしるこ、ぜんざい

(参考)
[1] ハレの日の料理「お雑煮」(農林水産省)
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/culture/wagohan/articles/2112/spe4_03.html
[2] 人日の節供(「五節供に和食を」推進委員会)
https://gosekku-washoku.jp/jinjitsu/
[3] 鏡餅の由来と美味しく食べるコツ(農林水産省)
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/culture/wagohan/articles/2301/spe13_01.html

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圓岡太治
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