1月7日には「七草粥」
誤っているのは(3)です。「人日」には「じんじつ」と「にんにち」の2つの読み方がありますが、「じんじつ」と読むのは1月7日の節句を指す場合のみです。「にんにち」は、人件費の見積もりなどに用いられる用語で、「作業者が1日(8時間)で行う仕事量」を指します。たとえば3人で10日かかる仕事は「30人日(にんにち)」(3×10=30)となります。
(1)の「ななくさがゆ」は、1月7日に春の七草を食べる「七草粥」が一般的ですが、古代、宮中においては、1月15日の小正月にコメ・アワ・キビ・ヒエ・ミノ・ゴマ・アズキを入れた「七種粥」(ななくさがゆ)を食べ、無病息災を祈る習慣があったそうです。一般官人には単にアズキを入れただけの粥が振るまわれ、これらが現在の小正月の行事食である小豆粥の原型と言われます。
(2)の「鏡開き」は、本来は正月11日に鏡餅を割って食べる習慣のことですが、酒樽の蓋を開く神事も鏡開きと呼ばれます。古くから日本酒は神事の際に神酒として供えられましたが、神酒が樽で供えられた場合には、樽の上蓋(酒屋ではこれを鏡と呼びます)を開いて酒をふるまいました。これを鏡開きと言い、鏡餅を割る本来の鏡開きと同様に、新たな出発や区切りに際し、健康、幸福、成功などを祈願するものです。今日では新築家屋の完成時、結婚披露宴、開店祝いなどでもこの鏡開きが行われています。