×

気になるキーワードを入力してください

SNSで最新情報をチェック

icon-gallery

壁に貼られた品書きをみると、つい「瓶ビール一本!」と言いたくなりませんか?そう、定食屋は自由な酒場でもあるんです。個性豊かな3軒で飲み歩いてみました。

【都内縦断・定食屋の楽しいハシゴ酒は思いがけず朝から開始】

よりによって、定食屋でハシゴ酒をしようという日が土曜日だった。事情通からの情報によれば週末は激混み間違いなしという。それなら混む前に行くべし!と頑張って早起きして(たいした早起きではありません)、巣鴨の『ナニコレ食堂』の扉を開けたのは朝9時。さすがに席はあったが、奥のカウンターには常連さんらしき人々がけっこういる。

『朝めし酒場 ナニコレ食堂』常連で盛り上がるカウンター

そしてもう飲んでいる。しかもほろ酔い気分で常連トークがさく裂中。思わず「なにこれ~!」と心の叫びが口から出てしまったではないか。メニューは手書きの紙と本日のおすすめがホワイトボードにぎっしり。『モスバーガー風の頭』とか『モーニングの頭』とかの頭シリーズや、すぐ出せる『緊急チョコ』とか“なんだかわからないけど楽しそう”感がいっぱいだ。

ずっといたいけど、次の『百味屋』が混む前にたどり着かねば、と先を急いだ。『百味屋』に入店すると残り1席。ギリギリセーフ。時間は朝11時で、土曜のせいか食事をする人が多い。料理はセルフだが、「熱々の里芋の揚げ出しが出ますよ~、串カツ揚げてますよ~」なんてアナウンスが入るから、聞く度に「それ旨そう~」となかなか前に進めない。

『船堀食堂 百味家』次々とできたての料理が並ぶ

オープンキッチンで働くのはベテラン主婦風の女性たちで、料理への期待はますます高まるのだ。熱燗をキュッとひっかけてほどよくまどろんでいたかったが、次々来るお客さんに席を譲り、次の店へ旅立とう。

最後は魚が旨い築地の『多け乃』。ここは、日本酒のレジェンド農口杜氏が醸す日本酒も置いている。壁にはこの店で撮った農口杜氏とご主人のツーショットも貼ってあるから、ご主人はかなりの日本酒好きとみた。

『多け乃』壁一面の品書きの短冊がそそる

冬だけの『カキフライ』はギュギュッと牡蠣が3~4個詰まっていて、噛めば海のエキスがジュワ~ッとあふれる。絶品の煮魚はコクのある煮汁、ふわっと柔らかな身ときたらもう……。至福過ぎて、いつまでも飲んでいられる気分なのだ。

この時すでに飲み始めから7時間経過。かなりの耐久レースだが、まだ夜は長いと思うと気分的にうれしい。朝から飲める定食屋のハシゴ酒はエンドレスに飲みたい酒好きにおすすめです。貴重な休みの1日を長~く使えますよ(笑)

『朝めし酒場 ナニコレ食堂』 @巣鴨

朝から会話が盛り上がる地元のサロン

いろんな食堂があるが、ここほどメニューのふり幅が広い店はそうはないだろう。刺身があるかと思えば、スパイスカレーにカルビ焼肉、たらちり鍋とその自由度はとどまるところを知らない。店主·波多野さんの人柄に惹かれて集まるお客さんが、まるで我が家のように寛いでいるのも素敵。通いたくなる都会のオアシスだ。

モスバーガー風の頭 400円

『朝めし酒場 ナニコレ食堂』モスバーガー風の頭 400円 トマトや玉ねぎと重ねたハンバーガーの中身。
『朝めし酒場 ナニコレ食堂』

[住所]東京都豊島区巣鴨4-27-10
[電話]050-5319-9037
[営業時間]8時~18時(17時LO)、土・日・祝~17時(16時LO)、金12時~18時(17時15分LO)※売り切れ次第終了あり
[休日]水、月末の木
[交通]都電荒川線庚申塚駅から徒歩6分

『船堀食堂 百味家』 @船堀

店名に偽りなし!メニューは100品以上

創業は1999年。長年地元で愛されてきたこちらは、手作りのおかずがなんと100種類以上もある。それも「里芋の揚げ出し」や「麻婆豆腐」など、手の込んだおかずが少なくないのだ。酢の物やお浸しなど小鉢も充実で、目移り必至。料理が決まったら奥で申告すると、冷めた料理を温め直してくれるのもうれしい。

サンマの開き 280円、里芋のあげだし 280円

『船堀食堂 百味家』サンマの開き 280円、里芋のあげだし 280円 つまみにぴったりだ
『船堀食堂 百味家』表通りに面した立地

[住所]東京都江戸川区船堀3-2-3
[電話]03-3869-6610
[営業時間]10時~21時
[休日]無休
[交通]都営新宿線船堀駅北口から徒歩4分

『多け乃』 @築地

魚好きなら一発で虜になる築地の宝

店を構えたのは昭和15年、現在は3代目が店を継ぐ。築地場外にあることから魚河岸とは長い付き合いで、旬のいい魚を直接仕入れることができるのが強み。品書きには値段を記載せず、すべて時価。でもそれは魚の値段が日々変わるからのこと。刺身もフライも塩焼きも何でも旨いが、看板料理は一尾丸ごとで作る最高の煮つけだ。

めばるの煮付

『多け乃』照りのいいめばるの煮付
『多け乃』細い路地を入ると小さな間口がある。知らなければ見つけられない立地

[住所]東京都中央区築地6-21-2
[電話]03-3541-8698
[営業時間]11時~21時、土~20時
[休日]日・祝
[交通]地下鉄日比谷線築地駅1番出口から徒歩6分

撮影/西崎進也、取材/岡本ジュン

※2023年2月号発売時点の情報です。

※全国での新型コロナウイルスの感染拡大等により、営業時間やメニュー等に変更が生じる可能性があるため、訪問の際は、事前に各お店に最新情報をご確認くださいますようお願いいたします。また、各自治体の情報をご参照の上、充分な感染症対策を実施し、適切なご利用をお願いいたします。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

icon-gallery
関連記事
あなたにおすすめ

この記事のライター

おとなの週末Web編集部
おとなの週末Web編集部

おとなの週末Web編集部

最新刊

2024年12月20日に開業110周年を迎える東京駅を大特集。何度来ても迷ってしまう。おいしい店はど…