グーグルで高評価のお店で実食!検証「グーグルマップメシ」/吉田羊のヒツジメシ傑作選

吉田羊のヒツジメシ傑作選

吉田羊のヒツジメシ傑作選

書籍「ヒツジメシ」として1冊にまとまめたことでも話題になった、女優・吉田羊さんの本誌「おとなの週末」での連載「ヒツジメシ」が2023年5月号で100回に到達! それを記念して、本誌の連載記事を特別に公開します。今回は、2022年6月号、第89回をお届けします!

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Googleでは高評価のラーメン店に突撃!

ども、羊です。突然ですが、みなさんは地図アプリ使ってますか? 私はグーグルマップ派ですが、検索時にいつも気になっていたもの、それが、ランダムに表示される検索地周辺の「高評価」とされる飲食店

リストを見ると必ずしも「おすすめ度」とリンクしてなかったり、食べログと照らし合わせても評価にズレがあったり。一体誰が、どんな基準で選定しているのか、いやそもそも本当に美味しいのか、と見る度にもやもや。そこでググってみたところ、食べログはユーザ登録すれば投稿可能、ただし一定回数以上投稿しないと店舗への採点が反映されず。

一方グーグルマップはアカウントがあれば誰でも投稿可だそうで。匿名性高く、レビュアーとしてのステータスを背負わずに書き込めるならば、それはより正直な評価になるのではと推察。見比べてみると、マップ上の評価の方が若干高めの傾向。あれこれ食べ比べた上での評価と違い、その時その瞬間の評価が、真っすぐに結びついているのかもしれない。

というわけで、自分の舌で確かめたくなった羊。今月はまず2軒を検証!

 1軒目。『麺屋帆のる 恵比寿店』さん。1階は5人でいっぱいの小さなラーメン屋さん(2階に12人分のお座敷あり)。

お店は坂の途中に位置している

すぐ目の前が線路のため電車の往来は頻繁にあれど、ドアガラスが厚く音は全く気にならない。店内にはラーメンを啜る音だけが響き、客がみなその一杯に精神を集中させている気配に満ちている。

看板メニューの「特製鶏白湯麵」をいただく。黄色味の強い白湯スープ。濃厚でどろりとしているのに鶏ダシゆえに重さやしつこさは一切ない。トロみが麺によく絡み、最後までしっかり味わいながら食べることができる。鶏肉は唇で切れるほどに柔らかく、煮卵の黄身は深いオレンジ色に燃えてとろり。あくまで控えめの味付けで、主役のラーメンを引き立てるナイスアシスト。

「特製鶏白湯麺」(1280円)。唐揚げ(680円)がトッピングというのも珍しい

こちらのお店、券売機の上や入口に「日本イスラーム文化センター」の文字。聞けば、アルコールと豚が禁止されているイスラムの方でも食べられるように、醤油などの調味料含め工夫して作られているとのこと。

外国人観光客には知られた存在で、コロナ前は海外からのお客様がほとんど。毎日海外からの問い合わせがひっきりなしだったのだとか。この日も、私と入れ違いに入ってきたのはfrom中東のご家族。海外でも安心してご飯が食べられるっていいよね

■『麺屋帆のる 恵比寿店』
[住所]東京都渋谷区恵比寿南1-23-1 亜米利加橋ビル1階
[電話番号]03-5734-1667
[営業時間]11時半~15時(14時半LO)、17時~21時(20時半LO)
[休み]不定休
[交通]JR山手線ほか恵比寿駅西口から徒歩7分
食べログ3.09、Google4.4 ※各サイトの評価は2022年4月15日現在のものです。

持論「刺身の美味しい店はなんでも美味しい」が炸裂

2軒目。東急大岡山駅から徒歩3分の『和食や 太いち』さん。全13席の街の和食屋さん。

『和食や 太いち』

定番と季節メニューは斬新なものもあれば、シンプルに味わわせるものもあり、バリエーションが楽しい。

ミシュラン掲載店の証

味の想像をつかせないラインナップにワクワクしながらお通しの胡麻豆腐をつまんで、「あ、アタリだな」と思う。続いて出てきた本マグロの刺身で確信に。お刺身が美味しい店はなんでも美味しいのだ。

お通しの胡麻豆腐
本マグロのお刺身

細やかな工夫とアレンジが効いた料理たちは、食材を旬の中で最も美味しく食べさせようというシェフの探究心と魂が見えるものばかり。

椎茸に、少し甘口の鶏のせせりを乗せ、チーズでフタをして焼いた「どんこしいたけと鶏せせりチーズ焼き」。椎茸は噛むほどに旨汁がじゅわっと染み出し、繊維がキュッキュと音を立て聴覚で美味しさを感じとる。後味にふわっと香る香辛料がいいアクセント。

「どんこしいたけと鶏せせりチーズ焼き」(860円)

「ほたてとゴールドキウイのおろしあえ」、キウイソースだと思ったらゴロっとキウイ! これが驚くほど合う。キウイの酸味と甘さがホタテの甘みと合わさって奥行きのある味わいに。そこへおろしがさっぱりと絡まり、爽やかな一品に仕上がっている。

「ほたてとゴールドキウイのおろしあえ」(960円)

「ヒレカツサンド」、こちらの看板メニューのひとつ。余熱でじっくりと火を入れるためにオーダーから25分かかる。とにかく柔らかい! そして旨みがぎゅっと凝縮! 2ヶ所切れ込みが入っているのは、食べやすいようにという大将のやさしさ。

「ヒレカツサンド」(1320円)

多ければお持ち帰りもできますとお心遣いをいただいたけれどペロリ。頭にねじり鉢巻をした一見体育会系のシェフ。たくましきその身体から生み出される繊細なお料理たちに酔いしれました。

ちなみに満腹で断念しましたが「62℃ビーフ」も同じく看板。低温62℃で7時間じっくりと火を通し、柔らかさを極めた逸品。では、来月に続く!

■『和食や 太いち』
[住所]東京都大田区北千束3-36-14 ドムスフォルトゥーナ1階
[電話番号]03-6425-9122
[営業時間]17時半〜23時(22時LO)
[休み]日、祝の月
[交通]東急大井町線ほか大岡山駅から徒歩3分

自撮りって恥ずかしいのよ。by 羊

【特報!】『おとなの週末』での「ヒツジメシ」連載100回を記念して、紀伊國屋書店 新宿本店にて、書籍『ヒツジメシ』のサイン本お渡し会並びにミニトークを、2023年5月3日に実施します。参加は、WEB受付(2023年4月9日(日)23時59分まで)による抽選になります。詳しくは下記からご確認ください!

■吉田 羊(よしだ よう)
2月3日生まれ、福岡県久留米市出身。小劇場を中心に活動後、TV・映画などの映像へと活動の幅を広げる。2007年『愛の迷宮』で連ドラデビュー、2014年には『HERO』でクールな女性検事を演じ注目を集める。映画『ビリギャル』では第39回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞した。2021年には舞台『ジュリアス・シーザー』で第56回紀伊国屋演劇賞個人賞を受賞。現在は、映画・ドラマ・舞台・CM・ナレーションと幅広く活動。2022年には俳優デビュー25周年を迎えた。

※記事の内容・情報は、2022年6月号掲載時のものです。最新情報はお店のSNSやHP等でご確認ください。

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