名建築家が手掛ける、趣ある店内でいただく釜揚げうどんに舌鼓
ども、羊です。さて、今月は文京区根津。お着物探しにぶらりと出かけた際に小耳に挟んだ2軒をご紹介。
まずは1軒目、『釜竹(かまちく)』さん。地元民のみならず、うどん好き、食通にも名の知れた釜揚げうどんの名店。
連日行列の絶えない超人気店は、大阪の羽曳野にある本店が発祥。2代目が名を継ぎ根津に開業、2014年に本店が閉店してからは、ここ根津が実質の本店となったそう。
まず驚くのはその外観。竹林の緑鮮やかな囲いの奥に佇む店舗は、東京都選定歴史的建造物にも選定されたレンガ造りの本物の石蔵。重厚でモダン、かつクラシックな雰囲気は、アンティーク好きの私にはたまらない。しかもあの隈研吾さんがデザインを手掛けたとか!
なるほど、隈氏の緻密で計算し尽されたデザインを堪能できるのは、店内入ってすぐの中庭から。一面の大きな窓越しに、丁寧に美しく整えられた庭が一枚の絵画のように見ることができる。
この日は、階段を上って石蔵の内部へと入っていく座敷席へ。初めてなので、看板メニューの釜揚げうどんをオーダー。「さいぼし」(馬肉の燻製)と「茄子の桜海老餡かけ」も一緒に。
うどんの薬味はネギと生姜、それに揚げ玉。店員さんのおすすめ通り、最初は何も入れずにおダシがよく効いたツユのみでいただく。
凸と凹のように、シンプルなうどんと合わさって初めて完成する、濃く深いダシツユ。生姜を入れたいけれど、もう少しこのツユを味わいたい、でもネギも……そんな葛藤を繰り返させる旨ツユ。薬味を一種ずつ入れれば4段階で楽しめますので、どうぞお好みで。
初体験のさいぼしは、燻製とあってひと口目はまるでカツオの藁焼きの香り。ふた口目からしっかり馬肉の甘みやコクを味わい、感覚の変化を感じられる一品。
食事の最後、餡かけ茄子を食べながら思いつき、小さな器にツユと麺、桜エビの餡をかけて即席餡かけうどんを作る。いうまでもなく、おいしいうどん屋さんは餡も絶品なのだ!
■根津 釜竹(かまちく)
[住所]東京都文京区根津2-14-18
[電話番号]03-5815-4675
[営業時間]11時半~14時LO、17時半~21時半(20時半LO)※うどんなくなり次第終了
[休み]月
[交通]地下鉄千代田線根津駅1番出口から徒歩3分