そもそもマデイラ(ワイン)とは
そもそもマデイラ(ワイン)って何よ? という人も多いと思うので、まずは簡単にその話から。マデイラは、シェリー、ポートと合わせて“世界三大酒精強化ワイン”と言われている。この中で言うと、一番ポピュラーなのはシェリーかな。
酒精強化ーーいきなり聞き馴染みがなくて恐縮だがーーとは、ワインづくりの途中でアルコールを添加して度数を上げること(ちなみにこのアルコールは、ワインを蒸留したお酒、つまりブランデーが多い)。で、そのタイプのワインが酒精強化ワイン(英語ではフォーティファイド・ワイン Fortified Wine)と呼ばれている。
なんでわざわざそんなことするのよ、という当然の疑問にはおいおいお答えしたいが、ひと言だけ言うと、この3つともヨーロッパ各国が世界に進出した15世紀以降の大航海時代、船に積まれ世界に広まっていったワインだということ。
航海の途中には赤道も越え、長い船旅はワインにとって過酷なものだった。それに耐えることができたのは、リッチで、アルコール度が高く、丈夫なワイン。前記の3つだったということだ。それらが当時すでに酒精強化されていたのか、あるいは自然に度数が高くなったワインだったのかは定かでないらしいが……。
さてその中でマデイラはというと、大西洋に浮かぶボルトガル領のマデイラ島でつくられるワインだ。位置で言えば、アフリカ大陸のモロッコから西へ約650㎞の太平洋上。大航海時代には、水やワイン、食糧を補充する航海の中継地点として発展した。
現在は、山と緑に囲まれた美しさから「大西洋の真珠」と呼ばれるリゾート地。ちなみにクリロナ(CR7)こと、サッカーのクリスティアーノ・ロナウドはここの出身だ。