旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■クイズの答えは……
正解:びわ
難易度:★★☆☆☆
手塩にかけて育てられる高級フルーツ
ハウス栽培のものが多く流通するようになり、年間を通してスーパーなどで購入できるびわですが、露地栽培ものの旬は5月下旬から6月下旬です。
東日本では、びわの産地は千葉というイメージが強いのですが、じつは、全国の生産量トップは長崎、千葉は2位なのです。それに鹿児島、香川、愛媛が続きます。産地からもわかるように、びわは寒さに弱いため、温暖な地域でしか栽培できないのです。
また、虫害を受けやすく、お肌と同じように日に当たると果皮にシミが発生してしまうため、果実のひとつひとつに袋掛けされます。このようにびわの栽培は非常に手間がかかります。これもびわが高級フルーツとされる所以です。
やさしい甘味とジューシーさが特徴のびわは日持ちのしない果物で、保存方法も非常に難しいのが難点。寒さに弱いため冷蔵庫に入れての保存はおすすめしません。冷暗所で常温保存が基本。ただし、保存期間は2~3日が限度です。冷やして食べたいときは食べる2~3時間前に冷蔵庫に入れましょう。
2~3日以内に食べきれない場合は、冷凍して半解凍で食べるのがおすすめ。果肉がジューシーのため、シャーベット感覚でいただけます。
また、果物を砂糖水で煮るコンポートやジャムなどにするのもおすすめです。
美味しいびわの見分け方
果皮が濃いめのオレンジ色で、うぶ毛が密生してハリとツヤがあるもの、傷や茶色く変色している部分がないものを。また、形は左右対称でふっくらとした丸みがあるものが美味です。軸がとれているものは避けましょう。
びわはデリケートで、触った直後から痛み始めます。そのため、購入するときに触ったりするのはマナー違反。絶対に避けましょう!
びわの注目栄養素
びわには抗酸化力のあるβカロテンが豊富に含まれています。β-カロテンは体内で目や粘膜、肌の健康を守るビタミンAに変換される栄養素です。
ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸の含有量も多いことも注目ポイントです。クロロゲン酸は、強い抗酸化作用のほかに、脂肪の分解や吸収を抑え、燃焼を促す作用があることでも知られています。
びわの葉には殺菌作用や鎮痛作用があるため生薬としても用いられています。また、びわの葉茶は美肌効果があるといわれています。