旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■クイズの答えは……
正解:さくらんぼ
難易度:★★☆☆☆
いろいろな品種の食べ比べも楽しいかも
さくらんぼはバラ科サクラ属に属する植物で、桜の木になる実です。私たちがお花見を楽しむ観賞用の桜と、さくらんぼがなる食用桜は種が違います。
観賞用の桜の代表格は染井吉野(ソメイヨシノ)。花が散った後に小さな実がなりますが、渋味が強く、食用には適しません。
食用の桜は西洋実桜(セイヨウミザクラ)という種です。しかし、原種の実は非常に酸味が強いことが特徴です。現在の酸味の少ない甘いさくらんぼは、品種改良が重ねられたすえに誕生したものなのです。ちなみに、食用とはいえ、お花見の時期には観賞用の桜のような美しい花を咲かせます。
さくらんぼにはさまざまな品種があり、品種ごとに少し旬の時期は異なりますが、多くの品種が旬を迎えるのが5月後半から6月にかけてです。
山形県はさくらんぼの生産量日本一で、全国シェア7割超と、圧倒的なシェアを誇っています。
高級品として珍重されているのが佐藤錦(さとうにしき)という品種で、「赤いルビー」とも呼ばれています。国内の「佐藤錦」の9割以上が山形県で生産されています。
近年では、さくらんぼといえば佐藤錦というイメージが強くなっていますが、ひと昔前はナポレオンという品種が人気でした。じつはこのナポレオンをもとに佐藤錦をはじめとした品種が開発されているのです。
さくらんぼは高くて……という人にとってありがたいのが、比較的安価なアメリカンチェリーですね。これは輸入されているさくらんぼの総称です。
とにかく品種がバラエティに富んでいるさくらんぼ。品種をチェックして食べ比べをするのも楽しいかもしれませんね。
美味しいさくらんぼの見分け方
果皮に張りとツヤがあり粒が大きいものを。また、表面に傷や変色がないこともチェックしましょう。全体的に濃い色づきのもののほうが甘味が強い傾向があります。 さっぱりした甘味が好みなら全体的に鮮やかな赤色、濃厚な甘味が好みなら完熟した赤黒い色づきのものを。
さくらんぼの注目栄養素
さくらんぼの赤い色の素は、ポリフェノールの一種であるアントシアニン。この成分は強い抗酸化作用や、目の機能改善をサポートする成分です。
同じく抗酸化作用をもち、疲労回復、肌の健康を保つ働きをもつビタミンCもたっぷり。糖質も多いため、疲労回復効果の高い果物といえます。ただし、糖質が気になる人は食べすぎには注意しましょう。