“クラフトサケ”の登場で新たなフェーズに突入した「どぶろく」と、クラフトビール界をざわつかせる「スムージーサワーエール」。このふたつに共通しているのが、どろっとしていること。これらを“どろり酒”と称して、その魅力を存分に…
画像ギャラリー“クラフトサケ”の登場で新たなフェーズに突入した「どぶろく」と、クラフトビール界をざわつかせる「スムージーサワーエール」。このふたつに共通しているのが、どろっとしていること。これらを“どろり酒”と称して、その魅力を存分にお届けします!どぶろくは醸造所併設店が多く、できたてを飲めます。クラフトビールは、併設店もあれば、ブルワリー直営店、日本各地のビールが飲める店まで。お好みでどうぞ!
『平和どぶろく兜町醸造所』 @茅場町
オフィス街で醸す 新鮮で多彩なフレーバーどぶろく
しゅわしゅわぷくぷく。オフィス街の一角でどぶろくが醸されている音がする。和歌山の老舗酒造が昨年兜町に開いたのは、店内で醸したてのどぶろくをいただける専門店だ。しかもその種類の豊富なことよ。定番のプレーンや期間限定のフレーバーを含め、なんと10種類近くもあるのだ。
ホップどぶろく 120ml 950円、マンゴーどぶろく 70ml 550円、プレーンどぶろく 70ml 500円、小豆どぶろく 120ml 950円
和歌山の米と水を使ったどぶろくは米の旨みを含んだ酸味と控えめな甘さ、できたてならではのフレッシュな微発泡感で驚くほど軽やか。そこにホップを加えた爽やかなどぶろく、つぶつぶ食感と甘い香りの小豆どぶろくにフルーティなマンゴーどぶろくなどなど多彩なラインナップに飽きる暇がない。こんなにおいしくて楽しいお酒、飲まないわけにはいかないでしょ!
[住所]東京都中央区日本橋兜町8-5
[電話]03-6264-9457
[営業時間]13時〜22時半(22時LO)
[休日]無休
[交通]地下鉄東西線ほか茅場町駅11番出口から徒歩1分
『ALL WRIGHT sake place(オールライトサケプレイス) by 木花之醸造所』 @浅草
ホップにキウイ、桜葉 副原料で広がるどぶろくの新世界
こんなの飲んだことがない!同店のどぶろくを飲んだら誰もがこう思うはずだ。ここは浅草初のどぶろく醸造所「木花之(このはなの)醸造所」に併設するブリューパブ。米と水、米麹のほかに副原料を加えてクラフトサケのように造るのが特徴だ。ホップとエール酵母を使ったどぶろくはヘイジーIPAのようなジューシーさで、さるなしというベビーキウイのどぶろくは甘酢っぱさがでまるでスムージー。
大人のネクター#02【さるなし】90ml 700円、HAZY SAKE-超トロピカル濁酒-90ml 700円、桜樽熟成 桜餅 90ml 700円
桜樽で熟成させた酒で仕込んだどぶろくは、まろやかな甘さと桜葉の香りがまさに桜餅だ。エキセントリックなのに誰もがわかるおいしさなのが不思議だが、それは馴染みある食材を合わせて造っているから。新しいのに親しみやすい。それがこれからのどぶろくなのだ。
[住所]東京都台東区駒形2-5-5 小宮ビル地下1階
[電話]03-5811-1905
[営業時間]17時〜22時半(21時半LO)、土・日・祝15時〜22時(21時LO)
[休日]無休
[交通]都営浅草線浅草駅A1出口から徒歩3分
『にほんしゅ ほたる』 @神田
大吟醸クオリティのできたてどぶろくを飲める醸造酒場
都内初のどぶろく醸造酒場で飲めるのはなんとも贅沢などぶろくだ。同店のどぶろく「神田マドンナ」は、酒米「山田錦」を50%まで削って造る大吟醸クオリティ。全く磨かずに造ることもあるどぶろくにここまで削った米を使うのは珍しいが、「スッキリとおいしい味わいを目指した」と醸造家でもある社長は話す。
自家製純米大吟醸どぶろく「神田マドンナ」 180ml 980円、どぶろくビール 600円、どぶろくラムネサワー 750円
粒感がなくなめらかな液体は澄んだキレにドライな後味。火入れせずできたてを出すことで残る発泡感も相まって、食事のお供に最適だ。ストレート以外の飲み方が選べることも同店ならでは。ラムネ割りやビール割り、リンゴ酢ソーダ割りなど6種類のどぶろくカクテルがある。さまざまな飲み方でイケるどぶろくが飲みたくなったらココに集合だ。
[住所]東京都千代田区内神田1-17-1 M3ビル1階
[電話]03-5577-6556
[営業時間]11時半〜14時、17時半〜23時(22時LO)※土は17時〜
[休日]日・祝
[交通]JR中央線ほか神田駅西口から徒歩5分
『OMNIPOLLOS TOKYO(オムニポロス トーキョー)』 @茅場町
北欧生まれのフローズンオンビールにビックリ!
ブルーベリーにメープル、パンケーキ。甘〜いワードが並ぶが、これはすべてビールのテイストを表した言葉だ。同店はスウェーデンのクラフトビールブランド「オムニポヨ」の日本初店舗。「ビールの在り方を問う」という理念の通り、ビールの上に同種のフローズンビールをトッピングして飲む「アガメムノン」「ビアンカ」は、これがビール!?と驚かされる。
AGAMEMNON 1800円、BIANCA 1900円
ブルーベリーの香りとロースト麦芽のコクが合わさったアガメムノンも、ブラックベリーの酸味の後にメープルの香りが抜けるビアンカもそれ自体ユニークだが、フローズンにするとさらに面白い。凍る過程で空気を含むから口当たりがふわっとやさしくさっぱりするのだ。大人のデザートビールここにあり!
[住所]東京都中央区日本橋兜町9-5
[電話]なし
[営業時間]16時〜23時※土は13時〜、日・祝13時〜21時
[休日]無休
[交通]地下鉄東西線茅場町駅11番出口から徒歩2分
『U.B.Pブリュワリー』 @浦和
酒粕×フルーツ!南国と和がマッチした独創性あふれる1杯
今年1月からオリジナルのクラフトビールをリリースした新顔のブリュワリー兼タップルームだ。ラインナップはペールエールなどのオーソドックスタイプから、付き合いのある全国のブリュワリーとのコラボビールなど全7種。特に「わにわにピニャッコ」は、千葉の「寒菊銘醸」の酒粕を使い、サワーエールを得意とする宮崎の「BMB ブリュワリー」とタッグを組んだ渾身作だ。
わにわにピニャッコ Pint 1600円
とろりとした口当たりのそれを流し込めば、パイナップル由来の甘酸っぱい果実味が広がり、どこか南国のカクテル風。かと思えば軽やかな吟醸香が鼻から抜けて、たちまち和の趣きに早変わり。相反する要素がグラスの中で自然に融け合った1杯は、クラフトビール界の新風だ。
[住所]埼玉県さいたま市浦和区高砂2-1-19 浦和ワシントンホテル1階
[電話]048-674-4685
[営業時間]11時半〜15時、17時〜22時(21時半LO)※土・日・祝は通し営業、日は〜18時半LO
[休日]火
[交通]JR京浜東北線ほか浦和駅西口から徒歩4分
『麦酒家(ばくしゅや)みつよし』 @押上
進化し続ける国産のスムージサワーを定期的に楽しめる
缶やボトルをメインに扱う、国産クラフトビール専門店。中でも注目は、山梨の大人気ブリュワリー「うちゅうブルーイング」。安定して仕入れる中に、定期的に造られるスムージサワーがある。取材時は「アトムマンゴー」。どろっとしたビールはマンゴーのインパクトをパイナップルが追いかけ、余韻にココナッツを感じる。甘・酸併せ持つトロピカルな味だ。
寒菊ブルワリー 愛山 SAKEKASU SMOOTHIE Vanilla Icecream-2nd.Edition 330ml 680円、うちゅうブルーイング、ATOM MANGO 350ml 1480円
そして、千葉「寒菊ブルワリー」の酒粕スムージーもラインナップ。バニラアイスを合わせ、その甘みがガツン! 温度帯が上がると酒粕が強くなり、乳酸菌ドリンクのような味に変化するのが面白い。 おつまみには餃子をぜひ。さっぱりと仕上げ、ビールの個性ある味を引き立てる。これぞ名脇役!
[住所]東京都墨田区横川4-8-23 HTビル1階
[電話]03-6658-8686
[営業時間]16時〜23時(フード22時LO、ドリンク22時半LO)※土は15時〜、日15時〜22時(フード21時LO、ドリンク21時半LO)
[休日]月(祝の場合は翌休)
[交通]地下鉄半蔵門線ほか押上駅B1出口から徒歩10分
『AQUWA brew works(アクワブリューワークス)』 @南浦和
2畳の醸造所で造る濃厚トロピカルなスムージーサワー
畳2畳分のスペースでビールを造るブリューパブが南浦和にあった。これこそ本当のマイクロブルワリーといったミニマムな醸造所に並ぶのは4つの縦長タンク。他のブリュワリーとのコラボレーションを積極的に行うことをコンセプトに作る、約6種類のオリジナルビールをタップでいただける。
くだもんず 330ml 600円(生340ml 1150円)
たっぷりのマンゴーを使い、どろっと濃厚なスムージーサワー「くだもんず」も誕生のきっかけはコラボだ。昭島のブリュワリーと2年前に造った味に磨きをかけて復活した。ひと口飲むとトロピカルな甘みの中にオレンジの酸味が爽やかで、南国の風が吹くよう。くだもんずは限定商品だが、今後もスムージータイプは造っていくとのこと。次回作も目が離せない。
[住所]埼玉県さいたま市南区南浦和3-3-15
[電話]なし
[営業時間]16時〜22時、土・日14時〜21時
[休日]火・水・木
[交通]JR京浜東北線ほか南浦和駅東口から徒歩5分
撮影/小島昇(平和どぶろく兜町醸造所、ALL WRIGHT sake place、ほたる、OMNIPOLLOS TOKYO、U.B.P ブリュワリー、AQUWA brew works)、沼沢善将(麦酒屋みつよし)、取材/菜々山いく子(U.B.P ブリュワリー)、編集部(麦酒屋みつよし)、藤沢緑彩(平和どぶろく兜町醸造所、ALL WRIGHT sake place、ほたる、OMNIPOLLOS TOKYO、AQUWA brew works)
※2023年6月号発売時点の情報です。
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