とっておきの浅草“プチ贅沢”ランチ7選 和食からロシア料理まで1人約4000円の愉悦

浅草と言えば老舗の名店揃い。うなぎに天ぷら、蕎麦、どじょう鍋……とすぐに思い浮かぶのは和食だろう。しかし今の浅草では、星付きの名店を始めとするフレンチ勢が躍進中だし、次々誕生する個性派や国際色豊かな店からも目が離せない。…

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浅草と言えば老舗の名店揃い。うなぎに天ぷら、蕎麦、どじょう鍋……とすぐに思い浮かぶのは和食だろう。しかし今の浅草では、星付きの名店を始めとするフレンチ勢が躍進中だし、次々誕生する個性派や国際色豊かな店からも目が離せない。そこで、浅草散策に出かけるなら今度は“浅草だけどちょっと意外”なサプライズ感のあるランチを楽しんでほしい。今回はレストランから和食まで、ちょっと贅沢な浅草ランチのご紹介です。浅草至近に住む『おとなの週末』ライター岡本のとっておき!実は多様な浅草“らしい”一面を覗けるはず。
※店舗データに記載がない限りは予約可です。

フレンチ『noura』王道のビストロメニューでパリの下町気分

黒板に並ぶメニューはどれもパリのビストロの定番ばかり。最近あまりお目にかかっていなかったので、懐かしい顔に出会ったようなうれしさがあった。ワクワクしてオーダーすると出てきた姿にまた惚れ惚れ。大きな鴨のコンフィは、付け合わせがこんがり焼けたじゃがいものガレットなんだもの。ビストロ好きなら顔がにやけてしまう。

地鶏肉とフォアグラのパテ・アン・クルートプリフィクスランチ(土・日・祝) 3500円より

『noura』地鶏肉とフォアグラのパテ・アン・クルートプリフィクスランチ(土・日・祝) 3500円より 地鶏のムネ肉とモモ肉、フォアグラ、ピスタチオなどが入ったパテ

さらに、前菜に「パテ・アン・クルート」まであるし。こちらはパテをパイ生地で包んだ古典的なフランス料理で東京でもあまりお目にかかれない。しかもどれもこれぞビストロというボリューム。名フレンチ『オマージュ』が手がけるとあってクオリティも間違いなし。本店の裏手にあるのが由来と言う、店名にもユーモアが効いている。

『noura』

[住所]東京都台東区浅草4-10-6
[電話]03-6458-1255
[営業時間]11時半~15時(13時半LO)、18時~22時半(20時LO)
[休日]月・火
[交通]つくばエクスプレス浅草駅A1出口から徒歩13分

フレンチ『Etape(エタップ)』ひとりでも気兼ねなく行けるカウンターフレンチ

隅田川にかかる駒形橋の先、静かな住宅街にあるのが『エタップ』。カウンターに座るとフランス人の奥様が明るい笑顔で迎えてくれる。その横で黙々と料理に奮闘するのはシェフの河村さんだ。本場フランスで8年修業したベテラン料理人で「食材をイメージできる、直球な料理を作りたい」と話す。

ランチコース 3500円

『Etape(エタップ)』鮮魚のポワレハーブのブイヨン ※ランチコース3500円より 島根県の漁師から届くアオハタはカリッと皮を焼いてポワレに

ハーブのブイヨンを使ったこの日の魚料理も、運ばれてきたときから魚とハーブのおいしそうな香りを放ち、その言葉を裏付けていた。食材探しにも余念がなく、魚は島根の漁港から、野菜は兵庫の有機農園から届く。週末のみのランチはコース仕立てで、内容は仕入れ次第。最近注目の和紅茶もあり、食中にノンアルで通したい人にもやさしい。浅草の小さなパリでおいしい週末を過ごしたい。

『Etape(エタップ)』

[住所]東京都墨田区東駒形2-21-6
[電話]03-5809-7452
[営業時間]17時~22時、土・日12時~14時、17時~22時
[休日]水、隔週火
[交通]都営浅草線本所吾妻橋駅A1出口から徒歩6分

ロシア料理『ラルース』どこまでもやさしいキャベツロールは懐かしい味わい

浅草になぜか多いロシア料理。その中でもこちらの看板料理「キャベツロール」は一度食べたら忘れられない。具はたっぷりの炒め玉ねぎと国産牛の挽き肉。その旨みをキャベツに吸わせるため、煮込む、冷ますを3日間も繰り返すという。主役はキャベツだからメニュー名は「キャベツロール」。

キャベツロール 1980円、グラスワイン 880円~

『ラルース』(左)キャベツロール 1980円、(右)グラスワイン 880円~ ジョージアの赤ワインとも相性ばっちり。ランチのコース(3080円)でも単品でも食べられる

煮込む間に脂やアクを丁寧にすくうので、どこまでもきれいでやさしい。もうひとつの名物「ピロシキ」もふんわり軽い生地に特徴がある。パン生地にバターを織り込むのでパイのように空気の層ができているのだ。香味野菜と牛挽き肉たっぷり、油で揚げているのに、ウソのようにいくらでも食べられる軽やかさ。浅草でおよそ40年、素朴なロシアの味とひたすら実直に向き合う昭和の名店だ。

『ラルース』天井にはシャンデリア、木製の扉がクラシックな雰囲気を醸し出すエントランス。創業は1983年。店名のラルースは料理百科辞典からつけられた

[住所]東京都台東区浅草1-39-2
[電話]03-3841-3383
[営業時間]11時半~22時半(20時半LO)
[休日]火(祝の場合は翌休)
[交通]つくばエクスプレス浅草駅A1出口から徒歩7分

洋食『アリゾナキッチン』2日間かけて作るデミグラが絶品のビーフシチュー!

シチューにはパン?チッチッチッ、とろりと濃厚なビーフシチューにはやっぱりご飯でしょ。それを証明してくれるのがここ。文豪・永井荷風が夜な夜なタクシーで乗り付けたという昭和24年創業の『アリゾナキッチン』。浅草を代表する洋食店のひとつであったが、一旦は惜しまれつつ幕を下ろしたという。しかし閉店を惜しむ声に背中を押され、めでたく昨年11月に復活。

ビーフシチューとめし(ダブル、160g) 3800円

『アリゾナキッチン』ビーフシチューとめし(ダブル、160g) 3800円 お代わり自由なので、2杯目はコンビーフのせ卵ご飯をぜひ。シングル、80g2500円もあり

今は3代目松本さんが店に立ち、受け継いだデミグラスソースが決め手の「ビーフシチューめし」を出している。大きな牛肉がごろんと入ったビーフシチューはフォンドヴォーをベースにスパイスを加え、さらに進化を遂げた。懐かしくも新しい老舗の味で、かつての浅草を偲んでみたい。

『アリゾナキッチン』

[住所]東京都台東区浅草2-7-13 西参道商店街
[電話]03-5246-3367
[営業時間]11時~15時(14時半LO)、17時~20時(19時半LO)
[休日]火
[交通]つくばエクスプレス浅草駅A1出口から徒歩4分

蕎麦『蕎上人(そばしょうにん)』初夏は軽やかに さらしなで変わり蕎麦を

「暑い季節はさらりと食べられるさらしなもいいですね」というご主人福田さん。そのひと言を聞いて、なるほどそうだなぁと大きくうなずいた。さらしなは北海道・多度志(たどし)の蕎麦を石臼で自家製粉したもの。蕎麦の甘みや香りは鮮やかだが、繊細な打ち方によりさらりと軽いさらしなの良さが際立っている。常時数種類の季節のそばきりが楽しめるのもうれしいかぎり。

すだちそば 1980円

『蕎上人(そばしょうにん)』すだちそば 1980円 レモンとすだちのW柑橘の清涼感が夏を呼ぶ

おすすめは「すだちそば」で、こちらはレモンの皮を練り込んだ「れもんきり」を使う。すすればすだちの清々しさをレモンの甘やかな香りが追いかける。それがなんとも涼を感じさせる。鉄瓶に入った日本酒と香ばしい「そば焼きみそ」で蕎麦前を楽しみ、最後はのど越しのいいさらしなで〆る。夏の蕎麦屋酒はかくありたし。

『蕎上人(そばしょうにん)』

[住所]東京都台東区駒形2-7-3
[電話]03-3841-7856
[営業時間]11時半~14時半(14時LO)、17時~21時(20時半LO)
[休日]月、第2・4日
[交通]地下鉄浅草線ほか浅草駅A1出口から徒歩3分

寿司『468(ヨーロッパ)』京都育ちの押し寿司は端正なお行儀の良さ

468と書いてヨーロッパと読むここは、東京でも珍しい押し寿司の専門店。ご主人岩崎さんは京都出身。握り寿司に憧れて京都の名店で修業し、東京へとやってきた。そして「東京の人が喜んでくれるから」と、握りよりも棒寿司や箱型で抜く箱寿司に特化することとなった。

穴子、サバ、はこ、ぐじ 2640円

『468(ヨーロッパ)』穴子、サバ、はこ、ぐじ 2640円 4種盛り合わせは季節によっても内容が変わる

うん、よくわかる。だって東京人は端正な箱寿司に、憧れの都の雅を見出してしまうのだから。「握りと同じであまり強く押さない」という押し寿司は、空気を含んだしゃりが口の中で程よくほどける。これは店でできたてを食べることに重きを置いている証。開店は昼1時からと遅めのランチにぴったり。盛り合わせで軽くもよし、ゆるりと飲んでつまむもよし。浅草で京都を味わうというのもまた粋だ。

『468(ヨーロッパ)』

[住所]東京都台東区西浅草3-23-14
[電話]03-3843-6964
[営業時間]13時~21時
[休日]日・月
[交通]つくばエクスプレス浅草駅A2出口から徒歩8分

焼肉『本(ほん)とさや』焼肉の人気店はランチタイムが狙い目だった!

1977年創業、家族で営むこちらは浅草ピカイチの焼肉店といってもいい。肉の銘柄よりも品質にこだわる仕入れスタイル、長年培ったカッティングの技術はハイレベル。夜ともなれば予約必須の有名店ながら、ランチタイムも開けていて、しかもメニューは夜と全く同じ。そしてこの時間が意外と穴場なのだ。

タンスジ塩 525円、ゲタ 675円、カルビ 900円、上ロースグイ 1325円、上タン塩 1250円など

『本(ほん)とさや』タンスジ塩 525円、ゲタ 675円、カルビ 900円、上ロースグイ 1325円、上タン塩 1250円など グイネギという白ネギを焼いて巻く「上ロースグイ」など種類も豊富 昼の2名分おすすめオーダー例は5種類の焼肉(写真参照)とキムチ、ナムル、冷麺2人前で税込7720円なり!リブロースの中落ちといわれるゲタは売り切れご免。カルビはその日の肉の仕入れでも変わるが、この日はカブリなど2種類が入っている ※写真はすべて半人前です

ひと皿のポーションが多いので、多くのメニューは半人前から頼めるのも使い勝手がいい。ひとり焼肉を心ゆくまで味わいたいツワモノが昼に通うというのもわかる。今回はスタッフの三浦さんが、ふたりで約7700円というオーダー例を考えてくれた。世に先駆けて厚切り肉を手掛けた先駆者でもあるから、少し奮発して厚切り肉を追加するのもありかも。

『本(ほん)とさや』

[住所]東京都台東区西浅草3-1-9
[電話]03-3845-0138
[営業時間]12時~15時(14時半LO)、16時~23時(フード22時15分LO、ドリンク22時半LO)
[休日]無休
[交通]つくばエクスプレス浅草駅A2出口から徒歩1分

撮影/貝塚隆、取材/岡本ジュン

2023年7月号

※2023年7月号発売時点の情報です。

※全国での新型コロナウイルスの感染拡大等により、営業時間やメニュー等に変更が生じる可能性があるため、訪問の際は、事前に各お店に最新情報をご確認くださいますようお願いいたします。また、各自治体の情報をご参照の上、充分な感染症対策を実施し、適切なご利用をお願いいたします。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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