数学学習における「当たり前のこと」
数学の場合、標準的なレベル(文科省検定教科書のレベル)の学力を身に付けるには、やるべきことはほとんど決まっています。定理・公式を理解して身に付け、基本問題や典型問題の演習を行い、解けるようにすることです。その内容も、進学校とそうでない学校との間に違いはあまりありません。この段階では演習量がものを言います。必要な量の演習をこなせば、ほとんどの場合、教科書レベルの学力は身に付けることが出来るのです。
イチロー選手の言う「当たり前のこと」とは、ここでは基本問題や典型問題の演習に置き換えることができます。当たり前のことを当たり前のようにやりさえすれば、必要な学力は身に付けられるのです。
もちろん、「当たり前」にはレベルがあります。イチロー選手にとっての「当たり前」と、我々にとっての「当たり前」とを同列に置くことはできません。しかし、まずは自分のレベルでの「当たり前」をこなしていくことではないでしょうか。少しずつ上達すれば、当たり前のレベルも上がっていくことでしょう。
M君の場合は、まず机上のゴミを片付けることからでした。もちろん、「特別なこと」まで起こせたわけではありませんが、少なくとも勉強への取り組みが変わり、徐々に問題を解き進められるようになりました。「硬直状態」からはすっかり解放され、標準的なレベルの学力は身に付けることが出来ました。
(引用サイト)
「鉄人」 イチロー・世界記録への挑戦|PRESIDENT Online
https://president.jp/articles/-/14958
【トレーニング受験理論とは】
一流アスリートには常に優秀なトレーナーが寄り添います。近年はトレーニング理論が発達し、プロアスリートやオリンピック・メダリストはプロトレーナーから的確な指導を受けるのが常識。理論的背景のない我流のトレーニングでは、厳しい競技の世界で勝ち抜けないからです。自学自習が勉強時間の大半を占める受験も同様です。自学自習のやり方で学力に大きな差が出るのに、ほとんどが生徒自身に任されて我流で行われているのが実情です。トレーナーのように受験生の“伴走者”となり、適切な助言を与えながら、自学自習の力=独学力を高めていく学習法です。
圓岡太治(まるおか・たいじ)
三井能力開発研究所代表取締役。鹿児島県生まれ。小学5年の夏休みに塾に入り、周囲に流される形で中学受験。「今が一番脳が発達する時期だから、今のうちに勉強しておけよ!」という先生の言葉に踊らされ、毎晩夜中の2時、3時まで猛勉強。視力が1.5から0.8に急低下するのに反比例して成績は上昇。私立中高一貫校のラ・サール学園に入学、東京大学理科I類に現役合格。東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。大学在学中にアルバイト先の塾長が、成績不振の生徒たちの成績を驚異的に伸ばし、医学部や東大などの難関校に合格させるのを目の当たりにし、将来教育事業を行うことを志す。大学院修了後、シンクタンク勤務を経て独立。個別指導塾を設立し、小中高生の学習指導を開始。落ちこぼれから難関校受験生まで、指導歴20年以上。「どこよりも結果を出す」をモットーに、成績不振の生徒の成績を短期間で上げることに情熱を燃やし、学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて難関大学に現役合格した実話「ビリギャル」並みの成果を連発。小中高生を勉強の苦しみから解放すべく、従来にない切り口での学習法教授に奮闘中。