MHDシングルモルトアンバサダーとともにテイスティング
タリスカー11年を今回、MHDシングルモルトアンバサダーのロバート(ボブ)・ストックウェルさんとともに試飲することができた。同時に、タリスカー10年、タリスカーストームも。タリスカー蒸留所などで働いた経験を持ち、製法を含めてシングルモルトを熟知するボブさんが、タリスカーの歴史をふまえながら、タリスカー11年の特徴を流暢な日本語で説明していく。
「ディアジオスペシャルリリース」は、カスクストレングス(加水せず樽出しそのままのアルコール度数)で提供されるのが特徴だ。「タリスカーの普段のものよりも、ちょっと遊びの入ったものをやってきています。必ずカスクストレングスで出されるため、自分の好きなアルコール度数に調整できるのも利点のひとつです」(ボブさん)
タリスカーの通常のボトルは、10年も18年もストームも、アルコール度数は「45.8%」。しかし、タリスカー11年は、カスクストレングスのため、「55.1%」と高い。ボブさんが言うように、水を加えて自分好みに変えられるのがうれしい。ただ、個人的には、カスクストレングスもストレートで飲むのが好きだ。実際、タリスカー11年は、ストレートのままでもなめらかで度数の高さをそれほど意識させない。
タリスカー10年、タリスカーストームと飲み比べ
テイスティングは、まずはタリスカー10年から。自宅には旧瓶があるが、まだこの新瓶はない(試飲後に購入)。ボブさんが、グラスを嗅いで感想を口にする。「ちょっとした磯の香り。ここ千代田区ですけど、海辺の近くにいるのかな(笑)と思っちゃうぐらいの海の香りがしますね。奥の方にフルーティーさもあったり、スモーキーさもあったりとか」。たしかに、その通り。旧瓶と比べると、やや甘い印象だ。
香りを楽しんだあと、ボブさんの「スランジバー!」という乾杯の掛け声とともに、実際にストレートで飲んでみる。スコットランドなどで使われているゲール語で「あなたの健康を祝して」という意味だ。
「いろんなテイスティングコメントがあると思うのですが、ウイスキーメーカーとして一番うれしいのは、『うん、うまい』という言葉。タリスカーは、一番歴史のあるスカイ島のシングルモルトです。舌の上で爆発するようなスパイシーさ、黒胡椒のようなスパイシーさがありますね」(ボブさん)。もちろん、タリスカー10年の特徴とも言うべきピート臭、スモーキーさも伝わってくる。うん、うまい。