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自宅に迷い込んだ白人、ハリウッドの大物スタッフに

憧れの東京生活が始まったが、かぐや姫が売れて、ソロになると河口湖近くに引っ越してしまう。

“仕事をするのは良いけど、生活するのに自分は東京という街が向いてないと思ったんだ”

そして、1982年、南こうせつは生まれ故郷に近い大分県杵築(きつき)市へ戻って生活するようになった。

“根っから自然が好きなんだろうね。大自然の中で音楽を作ってみたくなった。というか、自然自体が音楽みたいなものだからね”

仕事は東京を始めとして全国で。時間があれば大分県の自宅に戻る。それがストレス解消だし、元気の素だと教えてくれた。

ぼくは行ったことが無いが、大分の大きな森の中にある南こうせつ家には、時々、知らない人が迷い込んで来ることもあると言う。

“ヒッピーみたいな白人の男性が迷い込んで来てね。面白そうな奴だから、しばらく泊めてあげたの。それから10何年か過ぎたら 彼がハリウッドの大物スタッフになったことを知ってね。今でも連絡はあるよ”

いかにも人間が大好きで、人を愛するのが好きな南こうせつらしいエピソードだった。

南こうせつ、かぐや姫の名盤の数々。左上が、1973年7月20日リリースの『かぐや姫さあど』。大ヒット曲「神田川」を収録

岩田由記夫
1950年、東京生まれ。音楽評論家、オーディオライター、プロデューサー。70年代半ばから講談社の雑誌などで活躍。長く、オーディオ・音楽誌を中心に執筆活動を続け、取材した国内外のアーティストは2000人以上。マドンナ、スティング、キース・リチャーズ、リンゴ・スター、ロバート・プラント、大滝詠一、忌野清志郎、桑田佳祐、山下達郎、竹内まりや、細野晴臣……と、音楽史に名を刻む多くのレジェンドたちと会ってきた。FMラジオの構成や選曲も手掛け、パーソナリティーも担当。プロデューサーとして携わったレコードやCDも数多い。著書に『ぼくが出会った素晴らしきミュージシャンたち』など。 電子書籍『ROCK絶対名曲秘話』を刊行中。東京・大岡山のライブハウス「Goodstock Tokyo(グッドストックトーキョー)」で、貴重なアナログ・レコードをLINN(リン)の約400万円のプレーヤーなどハイエンドのオーディオシステムで聴く『レコードの達人』を偶数月に開催中。最新刊は『岩田由記夫のRock & Pop オーディオ入門 音楽とオーディオの新発見(ONTOMO MOOK)』(音楽之友社・1980円)。

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