オムライスにハンバーグ、ビーフシチュー。子供の頃、連れられて行ったお店でメニューを見ては心が躍った。お店の雰囲気と、そこで話す何気ない会話。すべてが尊い……。そんなあの頃を思い出させてくれる「オムライス」がおいしくいただ…
画像ギャラリーオムライスにハンバーグ、ビーフシチュー。子供の頃、連れられて行ったお店でメニューを見ては心が躍った。お店の雰囲気と、そこで話す何気ない会話。すべてが尊い……。そんなあの頃を思い出させてくれる「オムライス」がおいしくいただける昭和創業の店をご紹介!
バターの香り広がる見目麗しいひと皿『レストラン シラツユ』@錦糸町
なめらかな黄色い肌に、真っ赤なケチャップでおめかしした、昭和世代がイメージするそのまんまの姿にぐっときた。創業から間もなく半世紀を迎え、今も家族で切り盛りする町洋食のオムライスは、いつしか店の看板に。スプーンを口へ運べば、バターの香りがふわりと広がるリッチな味わいの玉子で、ハムやマッシュルームなんかも入った具材たっぷりのチキンライスを包んだ、すこぶる上等な味わいだ。
オムライスセット 1800円
食べ進むうちにウズラの卵がコロンと飛び出すのも愛嬌たっぷり。しかも下町らしい気取らないこのボリュームもうれしくなるではないか。さらに「3品セット」をはじめとした、お子様ランチ風のセットメニューも揃うとくれば、大人だって終始ワクワクが止まらない。
[住所]東京都墨田区錦糸4-1-7
[電話]03-3626-2535
[営業時間]11時〜15時(14時45分LO)、17時半〜22時(21時15分LO)
[休日]不定休
[交通]JR総武線ほか錦糸町駅北口から徒歩1分
パラパラ&香ばしいチキンライスが主役『中華料理 ぼたん』@浅草
中華のオムライスは洋食のそれとはひと味もふた味も違っていた。ラードを鉄鍋になじませて高火力で炒めたチキンライスは、炒飯のごとく香ばしさが炸裂!ケチャップを数回に分けて投入することで、酸味を飛ばして甘みを引き出すのもひと手間だ。オムライスの主役は玉子でなく米である、そんなことを思わずにはいられない。
オムライス 1000円
しかも添えられた中華スープが名脇役。沁みるコクと醤油の風味に舌がリセットされて、すぐさま次のひと口へ。「父の代からメニューに載せて約50年間、変わらぬスタイル」と3代目の茂高さん。てらいのない誠実なこの味は4代目にも受け継がれている。
[住所]東京都台東区花川戸1-8-1
[電話]03-3841-5040
[営業時間]11時〜21時(20時LO)
[休日]金
[交通]東武スカイツリーライン浅草駅北口から徒歩1分
チキンでなくポーク!大衆食堂の味に唸る『三岩(さんいわ)食堂』@六町
びっしり貼られた短冊に書かれているのは、もつ煮に焼き魚、まぐろ丼……、居酒屋かと思えばハンバーグやスパゲティの文字も並んでる。そんなこちらは昭和55年開業の食事も飲みもウェルカムな気軽な食堂だ。それぞれのメニューにファンがいて、オムライスもそのひとつ。
オムライス 850円
薄焼き玉子に包んだライスの中から現れるのは、鶏ではなく豚肉と、ザク切りにした玉ねぎのみ。食べ応えがあってシャキッと歯に響く食感も楽しい。さらに炊いた米をあえて冷凍してから使うことで、ケチャップと炒めてもパラッとした仕上がりだ。そんな細やかな仕事ぶりは膨大な全メニューから伝わってくる。
[住所]東京都足立区一ツ家3-23-6
[電話]03-3859-1927
[営業時間]11時半〜14時、17時〜22時
[休日]水、第3火
[交通]つくばエクスプレス六町駅A1出口から徒歩11分
撮影/西崎進也(シラツユ)、小島昇(ぼたん、三岩食堂)、取材/菜々山いく子
※2023年10月号発売時点の情報です。
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