コンビニやファストフードにはない手作りの温もり
そんなことを考えていたら、チャーハンを温めていた電子レンジからチン! という音が聞こえた。これで『GAME & REST コウラン』のチャーラーが完成!
まずは、私の流儀に則って、ラーメンからいただく。おっ、持ち上げたときに手へと伝わるフニャッとした丼の感触すらも懐かしくて泣きそうになる。
予想通り、麺は茹で置きしているためコシはないし、スープも若干ヌルい。しかし、これはこれでよいのだ。記憶に残る味というか……わかるかなぁ。そもそも自販機ラーメンに巷のラーメンとしてのクオリティは求めていないのである。
ただ、チャーシューのレベルは高い。しっかりと味が染みていて、柔らかい。さすがは手作りである。チャーシューの味の余韻を残しつつ、チャーハンを頬張る。うん、旨い! 冷食っぽい味ではあるものの、オートレストランというシチュエーションがおいしく感じさせるのだろう。
オートレストランの発祥は1970年代。当時はコンビニも都市部にしかなく、24時間営業の店も今より少なかった。他の店が開いていない深夜や早朝にラーメンやうどん、そばが食べられること自体がありがたかったのである。
コンビニやファストフード店の増加でオートレストランは衰退していくのだが、無人であってもコンビニ弁当やハンバーガー、牛丼にはない手作りの温もりが伝わってくるのがオートレストランのよいところだと思う。
これからも出張先にオートレストランがあったらレポートしようと思う。
取材・撮影/永谷正樹