激戦ジャンル「フレンチ」、「フードクリエイター」を制したのは!?
3回戦の審査員を務めるのは4名。昨年の大会でも審査を務めた錚々たる料理人が名を連ねています。
・和食:神田裕行さん
16年連続でミシュラン三つ星を獲得する『日本料理かんだ』店主。ミシュランから日本人として初めて「メンターシェフアワード」に選出されています。
・フレンチ:関谷健一朗さん
16年連続でミシュラン三つ星『ガストロノミー・ジョエル・ロブション』総料理長。フランス料理界最高峰の称号「M.O.F」(フランス国家最優秀職人章)を日本人で初受章しています。
・イタリアン:堀江純一郎さん
『リストランテ・イ・ルンガ』オーナーシェフ。イタリアに9年滞在し、日本人初のイタリア版ミシュランで星を獲得しています。
・中華:田村亮介さん
『慈華(いつか)』オーナーシェフ。オープンから1年も経たずにミシュラン一つ星を獲得。台湾での修業経験もあり。
会場には、「CHEF-1グランプリ」全体を盛り上げるスペシャルサポーターのお笑いコンビ「さや香」も登場しました。
数日に渡って行われた3回戦で、私は「フレンチ」と「フードクリエイター」の戦いを拝見いたしました。
「フレンチ」の1位に輝いたのは、根本シェフ。トムヤンクンをフレンチアプローチで仕上げたひと皿「小さき者の可能性」を作りました。
堀江シェフは「発想力、それを落とし込む技術、頭ひとつ抜けていた」。そして、根本シェフ直属の上司・関谷シェフから「ひと皿の味・香り、記憶に刻まれた。厳しく点数をつけても頭ひとつ出ている」と称賛。
根本シェフは、その言葉をじっくりと噛み締め「うれしくて泣きそう」と笑みを浮かべていました。
そして、「フードクリエイター」。さまざまな発想で生み出す料理が次々と飛び出し、各シェフの審査時には関谷・堀江両人から「革命」というキーワードが何度も出てきた激戦区。見事準決勝への切符を手にしたのは……丸山シェフ!
料理は「口中調味トムヤンクン -海老のタルタル、レモングラス燗添え-」。海老のタルタルを口に入れ、レモングラスを加えた燗酒を飲むことにより、口の中でトムヤンクンができあがるというもの。あまりにも斬新な食べさせ方で、審査員の度肝を抜きました。
実食直後は「はじめてすぎてわからない、コメントし辛い」と言うほど戸惑いを見せた関谷シェフ。それに対してさや香は「(昨年の『M-1』で言うところの)ヨネダ2000みたいな感じですか?」と言い、笑わせた。
丸山シェフは、関谷シェフから「自分には考えつかない料理で勉強になった。違う料理も食べてみたい」と言われたことに対し、「びっくりしすぎて泣きそう」と、目を赤くしながら素直な気持ちを吐露しました。
また、堀江シェフは「五者五様でジャッジが難しかった」と話しながら、「フードクリエイター」らしい自由な発想でシェフに勝つ可能性があると言及。「シェフにひと泡吹かせて!」とエールを贈りました。