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届きたての美味しいフォアグラを召し上がっていただきたい

メニューをリクエストされたのち、さらに浩宮さまから、侍従を通じて大膳に連絡が入った。

「食材の用意などで無理があるようであれば、別の料理で結構です」

いかにも浩宮さまらしいお気遣いであった。

当時、フォアグラは氷漬けしてフランスから空輸されていた。一週間に一度、金曜日に成田空港に届き、その日がもっとも状態がよく、週末の土日までは美味しく食べることができる。

そのころ雅子さまは外務省に勤務されていたから、東宮御所に来られるのは週末になる。雅子さまにフレッシュなフォアグラを召し上がっていただきたい。それが難しいなら、他の料理でよいとおっしゃったのだろう。

お二人でどんなお話をされながら食事を楽しまれたか――。

ともにイギリスへのご留学の経験があり、共通の趣味も多いお二人のこと。おいしい食事を囲みながらの談笑が目に浮かぶようである。(連載「天皇家の食卓」第12回)

文・写真/高木香織

本丸中之門石垣

参考文献/『新しい時代とともに――天皇皇后両陛下の歩み』(宮内庁侍従職特別協力、毎日新聞社)、『殿下の料理番 皇太子ご夫妻にお仕えして』(渡辺誠著、小学館文庫)、『美智子皇后と雅子妃 新たなる旅立ち』(渡辺みどり著、講談社)

高木香織
たかぎ・かおり。出版社勤務を経て編集・文筆業。皇室や王室の本を多く手掛ける。書籍の編集・編集協力に『美智子さま マナーとお言葉の流儀』『美智子さまから眞子さま佳子さまへ プリンセスの育て方』(ともにこう書房)、『美智子さまに学ぶエレガンス』(学研プラス)、『美智子さま あの日あのとき』、カレンダー『永遠に伝えたい美智子さまのお心』『ローマ法王の言葉』(すべて講談社)、『美智子さま いのちの旅―未来へー』(講談社ビーシー/講談社)など。著書に『後期高齢者医療がよくわかる』(共著/リヨン社)、『ママが守る! 家庭の新型インフルエンザ対策』(講談社)。

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