人気店が独自に解釈 ライトな家系が美味
みなさん、家系ラーメン好きですか?本誌「おとなの週末」のメイン読者である、私周辺の中高年層にインタビューしたところ、「もうムリ。ちょっとヘビーだよね」ってな意見が大半だった。
でも最近、そんな家系にムーブメントが起きていた!それが、既存のラーメン店が独自解釈の家系を立ち上げるパターンなのだ。ガチの家系とは味わいもちょっと異なりライト寄り。
「2〜3年前から、家系ラーメンの盛り上がりを感じていました」と話すのは『せたが屋』はじめ、いつくもの業態を手がけてきた前島さん。一昨年、オープンさせたのが『がんくろ』だ。
店内で炊くスープは時間経過と共に味が変わり、開店直後は軽やかでフレッシュ。徐々に濃厚へと変化するので、さっぱりを求める人は11時頃か、再仕込み後の17時半頃を狙ってみては?
見た目にも洗練された一杯を出すのが『こいけのいえけい』。チャーシューはしっとり低温調理の薄切りだし、王道のクタクタほうれん草も、この店では色鮮やかな小松菜だ。クリーミーなスープは重すぎず、でもしっかり家系らしさも感じられる絶妙のバランスだ。
素材をとことん追求したのが次の2軒。まず『銀座 嚆矢』は、スープの要となる豚骨を鹿児島の黒豚に限定している。さすが黒豚は骨まで旨い。いわゆる豚骨臭ってものがほとんどない上に甘みとコクはしっかり。トッピングや麺まで国産食材に限定している。
もう1軒が『革新家』。スープやチャーシューに厳選素材を使うのはむろん、海苔までもラーメンに合わせて選んだ一級品。スープに浸して麺やご飯を巻いて食べてみてくださいって。飛ぶぞ。
胃腸の弱りを実感する世代にも、おいしく食べられる家系ラーメンは確かにあった。ここぞとばかりに、ご飯と一緒にがっついちゃって!
撮影/小島昇(こいけのいえけい、革新家 TOKYO)、西崎進也(嚆矢、がんくろ)、取材/菜々山いく子
※2024年2月号発売時点の情報です。
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