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大卒初任給12万円時に、最安モデルでも166万!

改めて調べてみると、デビュー時の初代ソアラの価格は166万2000円から買え、最上級の2.8L搭載の2800GTの4ATで275万円。単純比較はできないものの、大卒初任給は1981年が12万800円に対し2023年が21万8324円だから1.8倍。ソアラはクルマ命の若者にとっては高額だったが、「頑張れば買える!!」、と憧れだけで終わらない夢を見させてくれたクルマだったんだろう。クルマもユーザーもパワフルだったことを痛感する。

高級パーソナルクーペのソアラが登場したことで、クラウンの2ドアモデルが消滅

初代ソアラはほぼ5年間で約8万台を販売してヒット。お金を持っている層だけじゃなく私の先輩のように若くしてソアラを購入した人が多かったのもその要因。何しろ免許を持っていない私の父もソアラが欲しくて免許を取得しようとしたくらいだもの(最終的には母の却下により取得せず)。

中古車も新車と変わらないくらいの高値で販売されていたなか、常識じゃあり得ない数万円で販売されている中古の白いソアラを購入すると呪われるという『白いソアラ』(城に塗っても赤く染まる『赤いソアラ』ってのもあった)の都市伝説が全国的に伝播したもの強烈な人気の証。

ちなみに初代ソアラは今手に入る? 答えはイエス。40年ほど前のクルマだが意外にタマ数もある。ただ、旧車ブームによって相場は最低でも150万円程度、状態のいいものなら500万円級と 爆上がりしていているのが恨めしい。

近未来を具現化し、ユーザーに受け入れられた初代ソアラ。その革命的モデルを進化させて、イケイケの時代をバックに初代を上回るメガヒットとなった2代目ソアラ(1986年1月デビュー)については、また別の機会に紹介したい。

初代ソアラの中古車は高値安定し羨望のまなざしだったため、数万円の白いソアラの都市伝説が生まれた!? 写真は1980年代前半の関東の中古車店を撮影したもの

【トヨタソアラ2800GT主要諸元】
全長4655×全幅1690×全高1360mm
ホイールベース:2660mm
車重:1300kg
エンジン:2759cc、直列6気筒DOHC
最高出力/最大トルク:170ps/24.0kgm
価格:275万円(4AT)

【豆知識】
この連載でちょっと触れたセリカXXは2代目モデルで、初代ソアラの5か月後の1981年7月にデビュー。エンジンはソアラと同じ2LのSOHCと2.8LのDOHC。ラグジュアリー路線のソアラに対し、セリカXXはスポーツ路線。リトラクタブルヘッドライトがカッコいい。初代ソアラが日本専売だったのに対し、セリカXXは北米、欧州では『スープラ』の車名で販売されたグローバルカーだった。日本でスープラを名乗るのは1986年にデビューした3代目から。

2代目セリカXXはリトラクタブルヘッドランプを備えるロングノーズが精悍。写真は左ハンドルの北米仕様

市原信幸
1966年、広島県生まれのかに座。この世代の例にもれず小学生の時に池沢早人師(旧ペンネームは池沢さとし)先生の漫画『サーキットの狼』(『週刊少年ジャンプ』に1975~1979年連載)に端を発するスーパーカーブームを経験。ブームが去った後もクルマ濃度は薄まるどころか増すばかり。大学入学時に上京し、新卒で三推社(現講談社ビーシー)に入社。以後、30年近く『ベストカー』の編集に携わる。

写真/TOYOTA、ベストカー

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市原 信幸
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