旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■実は山菜です……
正解:うるい
難易度:★★★★☆
下処理なしで使えます
4月中旬から5月に旬を迎える山菜がうるいです。正式名はオオバギボウシで、葉が開く前の若い芽がうるいと呼ばれます。「山かんぴょう」や「ギンボ」などと呼ぶ地域もあります。
山地の斜面、沢沿いなどの多湿で日当たりのよい場所を好み、環境が整った場所なら、群生することもあります。
山菜特有のアクやえぐみが少ないので、下ごしらえの手間がかからないのが魅力。生食も可能です。サクッとした歯応えがあり、少しぬめりもあることから、サッと茹でてネギぬたのように酢味噌で和えたり、酢の物にしても美味です。ほかに、みそ汁の具、天ぷら、炒め物など、使い方はさまざま。幅広い料理に使える万能山菜です。
スーパーでもうるいは販売されていますが、ほとんどが栽培ものです。
柄の部分(茎)が白く、葉は薄黄色で、チコリを細長くしたような見た目をしていることが多いと思います。これは軟白栽培という、苗をもみ殻などで覆って光を当てずに栽培しているためです。
いっぽう、露地栽培のものや野生のうるいは太陽の光を浴びて育つため、葉は鮮やかな緑色をしています。
注意点は、うるいにそっくりな「バイケイソウ」という毒草があるということです。 バイケイソウは、猛毒のアルカロイドという物質を含み、ときには死に至ることもある恐ろしい毒草です。どちらも同じような場所に生えているので、間違えて採取してしまう危険があります。
バイケイソウは緑色の葉に囲まれているため柄の部分がほとんど見えません。いっぽうのうるいは、長く白い柄がひと目で確認でき、柄の先に緑色の葉がついています。野生のうるいを採取するときは、しっかり見極めて採取することが必要です。