旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■山にひっそりと……
正解:行者にんにく
難易度:★★★☆☆
「幻の山菜」と呼ばれています
行者にんにくは、にんにく、にら、ねぎのようなの強い香りをもつ山菜です。仰々しい名前の由来は、修行僧が強壮のために食べていたためといわれています。
北海道や、東北などの涼しい地域に生息する山菜で、種から育てた場合には収穫できるまで3年から5年以上かかります。さらに、近年の乱獲の影響もあり、山に入ってもなかなか見つけることができなくなってしまっています。そのため、「幻の山菜」と呼ばれることもあります。
栽培もされていますが、前述のとおり手間と時間がかかるため、流通量は多くはなく、スーパーで見かけることはほとんどありません。
手に入るのは、栽培地周辺のスーパー、道の駅や野菜の直売所など。見かけたときは迷わず購入しないと次にお目にかかれるのはいつになることやら……といった希少価値の高い山菜です。
地域差はありますが、旬は4~5月頃。収穫のベストタイミングは、柔らかい若葉が垂れる前といわれています。
山に入って採取する場合の注意点は、引っ張って根茎ごと抜いたりすることはしないということです。必ず茎を数センチ残すようにして採取します。根茎から抜いてしまうとたとえ地中にちぎれた根茎が残っていても、食べられるサイズに育つには何年もかかってしまいます。
また、たくさん生えているからといって根こそぎ採取するようなことは避けましょう。
地域によっては、採取が禁止されていることがあるので、山菜狩りなどに出かけるときには事前確認は必要です。
行者にんにくはアク抜きが不要です。下処理は、丁寧に水洗いをした後に根元まわりにある硬い皮を取り除くだけ。あとは茹でても、炒めてもOK。ぬたや味噌汁、天ぷらにとさまざまな料理に活用できます。生のまま醤油漬けにしても美味です。