「おにわさん」に聞く ゆるりと楽しむ庭園めぐりのコツ
僕は「庭ってなんかいいな」っていう感覚、言語化できなくても、そういう感覚をまず大事にしたいなと思っています。その上で、庭園をより楽しむためのおすすめがふたつ。
ひとつ目は、ボランティアガイドを利用したり、施設の方にお話を聞いたりすること。たとえば手入れの仕方とか見どころを質問してみてください。所有者の方の思いが溢れるように出てきたりして、発見があったり、見方も広がります。
ふたつ目はゆっくり歩く。周囲を見渡しながらあえて倍の時間をかけるくらいのつもりで。そうすると「あの花何だろう?」とか「立派な石だな」とかいろんな要素が目に入ってきます。心も落ち着いてより五感で楽しめます。
また、何度も足を運ぶのもいいですね。季節ごとにそのときにしか見えない景色がありますし。今回文化財や石の話をしていますが、見るポイントを「水」にしても面白いです。
「東京の名湧水57選」で検索すれば湧水を利用したお庭も探せます。たとえば国分寺の『殿ケ谷戸庭園』などがおすすめ。武蔵野台地と関東平野の境目の崖線とそこから湧き出る水をデザインに生かしている。
好きな庭園ができたら庭師に注目するのもやはりよく、有名どころでは「七代目小川治兵衛」とか。
都内では麻布十番に近い『国際文化会館(旧岩崎邸)庭園』など、和のお庭がモダン建築や東京タワーを借景にしているのもとても魅力的です(談)
撮影/西崎進也、取材/池田一郎
※2024年5月号発売時点の情報です。
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