大阪・関西万博は2025年4月13日の開幕から7月12日で91日目を迎えた。当初心配された来場者数も1000万人を超え、これからはじまる夏休みシーズンに向けてさまざまなイベントがめじろ押しだ。酷暑の季節、できるだけ日陰を歩いたり、会場内を運行するEVバスを利用して“直射日光”を避けたいのは誰もが思うところだろう。7月からは最寄り駅の地下鉄夢洲駅(東ゲート)から西ゲートを結ぶシャトルバスの運行もはじまった。ここでは、何度も取材で訪れた“シゴト目線”で見えてくる大阪・関西万博の”歩き方”を紹介することにしよう。
※トップ画像は、“空飛ぶクルマ ステーション”に展示される「SkyDrive」社製の実物大機体模型(フルスケールモック)=2025年7月7日、此花区夢洲
混雑する夢洲(ゆめしま)駅
来場者の約6割が鉄道を利用して万博会場を目指す。最寄り駅となる大阪メトロ「夢洲駅」は地下駅で、改札口は一つしかない。その改札口に近い車両は(夢洲駅に到着する列車の)最後部となる6号車であるが、常に会場へと先を急ぐ人々で混雑している。プラットホームから改札へと向かうエスカレーターは1か所だけではなく、1号車と3号車付近にも設置されているのだが、なぜか最後部に人々は集中する。混雑を避け、空いているエスカレーターを利用することが賢明だろう。来場者が多く見込まれる時間帯には、大阪メトロ中央線では“臨時電車”が運転されることもある。
このほかには、JRゆめ咲線の桜島駅や、大阪メトロ中央線のコスモスクエア駅から出ているシャトルバス(事前予約制)に乗車すれば、会場の“西ゲート”へアクセスできる。この場合、チケット予約時の入場ゲートの間違いには注意したい。
会場内の移動についてもこれからの季節、“炎天下”だけは極力避けたいものだ。そんなときは少しくらい遠回りになったとしても、大屋根リングの下を歩いて移動することをオススメする。日差しがない分だけ暑さをしのげ、少しばかりの涼しささえも感じる。時折、海側から吹く風が心地よいこともあるくらいだ。体力温存のためにも“急がば回れ”、なのである。
『e-Mover』ってどんなバス?
会場内の外周路を走る連絡バスは、“e-Mover”という愛称で呼ばれ、大阪メトログループが運行する「予約不要」で利用できる(※自動運転バスを除く)区域乗合バスのことだ。このバスは、電気を動力源にしているEV車(=電気自動車)で、エネルギー消費を示す単位は、ガソリンで走るクルマのように”燃費”とはいわず、「電費(でんぴ)」という。
運行ルートは、大屋根リングから見て時計回りと反時計回りに走る2路線がある。いずれも3~5分間隔で運行している。「反時計回り」ルートは、西ゲートにある北ターミナルバス停から西ゲート南バス停(EXPOメッセ)→リング東バス停(ナショナルデーホール)→東ゲート南バス停(パナソニックグループ)→東ゲート北バス停(東ゲート)→リング西ターミナルバス停(ブルーオーシャンドーム)と走る。
いっぽうの「時計回り」ルートは、リング西ターミナルバス停から東ゲート南バス停→西ゲート北ターミナルバス停と、乗降できるバス停の数が少ない。なお、両ルートともに午前中の9:00~11:30までの間は、この“e-Mover”とは別に「東西シャトルバス(EVバスルート)」を運行しているため、周回運転は行っていない。
また、e-Moverには「自動運転(日中のみ20分間隔)」のバスもあり、この自動運転バスに乗車するためには「当日予約」をする必要がある。
