『東都グリル』 @築地
エビがゴロッと入る本格ソースのナポリタン
この店で“ナポリタン”といえば具材はエビで、一方ハムを使うのが“イタリアン”。ちょっと不思議なネーミングの理由は今だにナゾだと初代の娘さんは笑って答えてくれた。
店の始まりは東京五輪の前年昭和38(1963)年で、当時はハイカラな洋食レストラン。築地市場に仕入れにやってくる料理人や仲買人など、食のプロにもたいそう親しまれ、今まで歴史をつむいできた。
常連のリクエストに応じてメニューはどんどん増えてゆき、今じゃ酒のつまみになる刺身や小鉢なんかも置いていて、ざっと数えても100を超す(!)。
ナポリタン 850円
そうそう、冒頭のナポリタンに話を戻すと、ソースはじっくり炒めた香味野菜に、煮詰めたトマトピューレとケチャップを合わせた本格派。軽やかな甘みとまろやかな酸味がエビの風味をしっかり立たせてくれている。
モッチリとした麺とエビのプリプリ感が口の中で響き合う、食感のコントラストも楽しんでほしい。
[住所]東京都中央区築地6-22-4 東水ビル地下1階
[電話]03-3542-2088
[営業時間]8時〜18時(17時45分LO)※火・金は〜20時(19時15分LO)、水〜15時(14時45分LO)、市日の水10時〜15時(14時45分LO)、土7時〜15時(14時45分LO)
[休日]日・祝
[交通]地下鉄日比谷線築地駅1番出口から徒歩6分
『essence Terrace Dining BAR(エッセンス テラス ダイニング バー)』 @東銀座
キムチとの邂逅 組み合わせの妙に思わず唸る!
メニューを開くと、そこに並んでいたのは洋食をベースにしながらも、エスニックやハワイアンなど各国料理のエッセンスをひと振りしたジャンルレスな料理たち。「そう来るか!」と思わせる食材やソースの組み合わせに味を想像するだけで食いしん坊の胸は躍りだすではないか。
「ナポキム」もそんな料理のひとつで具材に使うのがなんとキムチ。意表を突かれつつも、ひと口食べればこれが大正解と思わず舌を巻いた。
熟成されたキムチは発酵から生まれる酸味があって、もちろん程よい辛さもある。それどころかタバスコを思わせる風味になっていて、まったりとしたケチャップ味にシャープな芯を通していた。
ナポキム“キムチナポリタン” 1400円
さらにソースには、もうひと工夫あり。挽き割り納豆をほんの少しだけ隠し味に使うことで、両者の親和性をさらに高めているんだとか。シェフのアイデアが光るこのひと皿は一度食べればハマること間違いなし!
[住所]東京都中央区銀座3-11-8 1階
[電話]03-6264-1057
[営業時間]11時〜14時半(14時LO)、17時〜23時(22時LO)※土は〜22時(21時LO)
[休日]日
[交通]地下鉄日比谷線ほか東銀座駅A7出口から徒歩1分
『日本橋三越本店 新館5階 カフェ&レストラン ランドマーク』 @三越前
日本初のケチャップを使用 老舗デパートが放つすこぶる上等な味わい
子供の頃、家族で買い物帰りに立ち寄ったデパートのお好み食堂。あのときのワクワクした気持ちを思い起こさせる懐かしい風情を残しつつ、昨年リニューアルしてお目見えしたのがこちら。
メニューはどの世代にも親しまれる和洋中の他に、デザートやおつまみも用意。ほっとひと息つける広々とした空間だ。
そんな店のナポリタンは、すこぶる上等な味わい。日本初とされる「清水屋ケチャップ」を使ったソースはトマトをしっかり感じる濃厚な風味で、仕上げに数滴加えたタバスコのピリ辛感が後味をきりっと引き締める。
スパゲッティナポリタン 1870円
さらに具材は生産者から仕入れる上質なベーコンや、フレッシュなミニトマトも入り、それぞれの具材とソースが見事な調和を生んでいる。
また、いろいろな料理を試したければ、ナポリタンに加えてステーキにエビフライ、グラタンなどスター級の洋食ばかりをワンプレートにまとめた「大人様洋食」をどうぞ。
[住所]東京都中央区日本橋室町1-4-1 日本橋三越本店 新館5階
[電話]03-3231-6820
[営業時間]11時〜19時(18時半LO)
[休日]施設の休館日に準ずる
[交通]地下鉄銀座線ほか三越前駅A2出口から徒歩1分