「“やってあげる”ではなく“してあげたいからする”」ティモンディ前田裕太が恋愛の失敗から学んだ“お付き合いの極意”

「相手に期待すること」とは「理想の人物像を押し付けること」 人生とは、誰かと何かを与え合えるもの。 与えても与えても返ってこなければ、愛想尽かされることだってあるけれど。 かくいう私も、これだけやってあげたのに、と思って…

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「目指せ、理想の大人」をメインテーマに掲げて始まった、「ティモンディ前田裕太の“おとな”入門」。自身の経験や見聞きしたエピソードから思考を広げてきた「コラム形式」から、次のステップへと進みます!
その内容は、「お悩み相談」です。これまで約1年半のコラム連載を通して、食・あそび・勉強・旅…と、様々なテーマで「(理想の)大人とは?」について考え、目指してきた (そしてこれからも目指していく)前田さん。その経験を生かした視点で、皆さんから寄せられたお悩み相談に答えていきますよ◎第27回の今回は、お付き合いしている彼氏が優しすぎて、負い目を感じてしまう……というお悩みです。

[今回のお悩み]

「いつも明るくてなんでもしてくれる優しい彼氏に、負い目を感じてしまって辛いです」

付き合って2か月ちょっとの彼氏がいます。優しくて明るくて、イライラしているところを見たことがなくて、いつもごきげんで、そういうところがとてもいいなと思っています。

ただ、最近、彼氏が優しすぎて辛くなることがあると気付きました。私自身はわがままを言って振り回したり、束縛したりするタイプではないのですが、彼氏が、一緒にいるとなんでもしてくれる人なのです。

お互い休みを合わせるのが難しい仕事なので、平日も彼氏の家に泊まることが多いのですが、洗濯やお皿洗いといった家事も、当たり前のようにやってくれます。彼氏の方が仕事が終わるのが早いので、掃除なんかも、私がいない間にやってくれているようです。

たまには私が、と思っても、「俺の家だからいいんだよ」と優しく言われてしまいました。家事に相当のこだわりがあって、手を出してほしくないのかな、とも思ったのですが、話を聞く限り、そういうことでもなく、ただただ本当に優しいだけのようです。

最初はただ、優しい~~と思ってルンルンだったのですが、「やってあげている」という気持ちが彼には本当に一切ないので、だんだん、「ありがとう」の気持ちより、「お世話されている」という「負い目」のような気持ちが強くなってきました。

元々恋愛に対してネガティブな性格なので、その小さな「負い目」が、「一緒にいると辛い」という感情に育ちそうで怖いです。

友達には「彼氏優しいっていうのろけかよ」と思われそうで相談するのもなかなか難しく、かといって、このほんのりとした不安を彼氏にどう伝えていいのかもわかりません。

(東京都・30代・会社員・女性)

“してあげる”ことに見返りを求めてはいけない

人は一人で生まれてきて、一人で死んでいくもの。

けれど、それまでの道中で、より幸せになるからお互いパートナーと共に歩いていく訳で。一人で生きているよりも、より自分が良くなる相手と一緒にいれたら良いですね。

ただ、相談者の方は、素敵な相手と懇ろな関係になったのに、その優しさに後ろめたさを感じてしまっているんですね。

個人的には、パートナーの方は“してあげている”とかいう考えというよりは、好きだから“したい”と思っているのではないか、と思います。

同じように、相談者の方がパートナーの人に“してあげたい”と思うことをしてあげられると良いですね。してもらっていると罪悪感があるのであれば余計に。

ただ、気をつけなければならないことがあります。

自分もパートナーに対して行動をしてあげたとしましょう。そこを”やってあげている”という思考になると良くない

周囲にも、そんな思考の人を見かけたりしますが、誰かと良好な関係を築きたいのであれば、注意しなければいけません。

その考え方だと「これだけやってあげたのに」とか「私はこれだけやったのに、相手はこれくらいしかやってくれない」と思うようになってしまう。

恋愛も、人間関係も、何にでも言えることですが、見返りを求めてはダメですね。そうなってしまっては、あとは破局するのみの道になってしまう気がする。

「相手に期待すること」とは「理想の人物像を押し付けること」

人生とは、誰かと何かを与え合えるもの。

与えても与えても返ってこなければ、愛想尽かされることだってあるけれど。

かくいう私も、これだけやってあげたのに、と思って、勝手に相手へ期待をして、それに対して返ってこないことに冷めてしまったこともある。

御令嬢が「あれをやって欲しい」「ここに連れて行って欲しい」というので、やってあげるを繰り返しているうちに(あれ、なんだかこの関係性って私が一方的に何かをしてあげているだけなのでは?)と思うようになってしまった。

本来であれば、仕事でもないのだから、リターンを求めて行動をしている訳でもないのに。

私自身がしてあげたいから「やって欲しい」と言ったことを行動に移しているのに、どこか被害者意識を持つようになってしまったのだ。

私も子供だったんです。

相手に期待をしている時点で、自分の求める理想の相手像をパートナーに押し付けてしまっていることに気づかなかったんです。

それで失敗してしまった立場から言わせてもらうと、好きだから付き合うのはいいけれど、期待はしてはいけない。

優しさを貰ってばかりで負い目があるのであれば、こちらも“やってあげたい”と思うことを、してもらったこととは別の形で何かを与えてあげればいいのではないでしょうか。

ただ、重ねて言うように、そこに恩着せがましさを含まないように気をつけましょうね。

例えば、食べ終わった食器を洗ってくれたり洗濯をしたり、生きるのに必要な行為を自分の分まで彼が担ってくれているのであれば。

それら以外のもので、やってあげたいなと自発的に思うことで相手に何かを与えられることを精力的にしてあげられると良いですね。

あなたには優しくしてもらうだけの価値がある

ただ、罪悪感の原因ってそれだけでしょうか。

自分にはそれだけ優しくしてもらうだけの価値がないと思っている可能性もありますね。

あなたは、愛されるだけの理由があります。だから今のパートナーはあなたと付き合っているんです。

それだけの魅力を持っているから、蜜月な関係になっているんですよ。

せっかく素敵な人と付き合っているのだから。

その愛を心置きなく受け止められるように、こちら側も、してあげたいと思うことを遠慮せずに行動に移せるといいですね。

「傘もこんなにたくさんあるし」~担当編集者からのひとこと~

今回のお悩みと前田さんの回答を読んでいたら、ふと、とある短歌が頭に浮かびました。

「ほんとうにあたしでいいの?ずぼらだし、傘もこんなにたくさんあるし」(岡本真帆『水上バス浅草行き』)

自分のずぼらさを表現するために「傘もこんなにたくさんあるし」という例を挙げているということは、「あたし」の相手は、傘をなくしたり持って出るのを忘れて毎回コンビニで買ったりしない人なのかもしれません。

「ちゃんとできる相手」と「できないあたし」という構造を感じてしまっているという点で、相談者様のお悩みに少し似ているのかな、と思います。

きっと、「傘もこんなにたくさんある」という、いわゆる「あるある」なずぼらエピソードを例に出しても、相手は「ほほえましいな」と思って終わってしまうでしょう。

笑って「気にしないよ」と言われて少し安心しつつ、でも「気にしないよ」と笑われてしまったということは、自分の不安は相手に伝わったようで伝わっていない、ということにも気付いている……相談者様の言う“ほんのりとした不安”にも似た感情ではないでしょうか。

ちなみに、独り暮らしの私の家の玄関には、いま、ビニール傘が4本あります。

前田さんへの相談大募集!

お悩み相談は、下記「おとなの週末Webお問い合わせフォーム」からお送りください。真剣な相談、ちょっとしたお悩み、前田さん聞いてみたいこと、などなど…。皆さんからのご応募、お待ちしております!

ご応募はこちらから!https://otonano-shumatsu.com/contact

「お名前(本名でなくても構いません)」「メールアドレス」を所定の欄にご入力いただき、「お問い合わせ内容」欄の冒頭に「おとな入門 相談応募」と明記いただいたうえで、「ご相談内容」と、「住所(都道府県名)・年代・性別・ご職業」をご記入ください(例:東京都・20代・女性・会社員)。掲載は匿名です。 また、年代・性別・ご職業の情報は、掲載された際に、読者の方がお悩みをより具体的にイメージできるように、ご記入をお願いするものです。必ずしもご記入いただかなくても問題ございません。

前田裕太(まえだ ゆうた)
1992年8月25日生まれ、神奈川県出身。愛媛県の名門、済美高校野球部の同期である高岸宏行とのお笑いコンビ「ティモンディ」のツッコミ担当。趣味はサッカー観戦、読書。テレビ番組で画力を披露したり、複数メディアでコラムを執筆するなど、マルチな活動で注目を浴びている。

ティモンディ
高岸宏行・前田裕太によるお笑いコンビ。コンビ結成は2015年、グレープカンパニー所属。高岸のポジティブなキャラクターや、二人の野球経験と身体能力などがバラエティ番組で引っ張りだこに。コンビの野球経験をいかしたYouTubeチャンネル『ティモンディチャンネル』の登録者数は約28万人。

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